宇佐美鉱油、中古車販売のグッドスピードにTOBへ

宇佐美鉱油、中古車販売のグッドスピードにTOBへ

カーライフ事業の基盤強化図る、完全子会社化視野に

ガソリンスタンド運営大手の宇佐美鉱油は3月1日、中古車販売のグッドスピードにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。

グッドスピードは同日、TOBに賛同する方針を表明した。

グッドスピードは不適切な会計を続けていた疑いがあることが判明、信用低下で業績が悪化している。返済期限が3月末の借入金を約150億円抱えていることなどから、宇佐美鉱油をスポンサーに得て、再建を急ぎたい考え。

宇佐美鉱油は最終的にグッドスピードを完全子会社化することを視野に入れている。

TOBは2回に分けて実施。まずグッドスピード筆頭株主の加藤久統社長を対象に行い、2回目は他の少数株主受けに展開する。1回目のTOBは4月上旬をめどに開始する予定。

宇佐美鉱油は昨年10月時点で直営のガソリンスタンドを全国に489カ所展開している。ただ、脱炭素の潮流が強まり、長期的には燃料油の需要が伸びることを期待しづらいため、今後は新たな収益源として車検や修理、カー用品販売などのカーライフ事業を伸ばしていくことを目指している。

今回のTOBもその一環。グッドスピードは東海地方を中心に中古車販売網を築いている点などを評価し、傘下に収めて同事業の基盤を強化したい考え。

TOBについては昨年12月上旬、大和証券から宇佐美鉱油に提案があったという。

(藤原秀行)

経営/業界動向カテゴリの最新記事