川崎汽船と東京ガス、地下貯留へ液化CO2船舶輸送の共同検討開始

川崎汽船と東京ガス、地下貯留へ液化CO2船舶輸送の共同検討開始

首都圏の排出分対象、国内やアジア大洋州向けを想定

川崎汽船と東京ガスは3月15日、CCS(CO2の地下貯留)実現に向けた液化CO2船舶輸送に関し、共同で検討することで合意したと発表した。

政府はCCSで2050年に年間1.2億~2.4億tのCO2貯留実現を目指しており、カーボンニュートラル達成に向けた重要な手段の一環と設定。CCS長期ロードマップ検討会の最終とりまとめで、有望な海外の貯留ポテンシャルの活用は有力な選択肢の一つと指摘しているが、その実現にはCO2を液化し、CO2貯留に適した場所まで船舶輸送することが必要となる。

そこで両社は、首都圏で出るCO2を対象に、国内やアジア大洋州の貯留地までの液化CO2船舶輸送に関する輸送シミュレーションと経済性の検討、船舶輸送に伴うオペレーションに関する検討を進める。その結果も踏まえ、CCSをはじめとした様々なカーボンマネジメントによる首都圏のカーボンニュートラルの実現を後押しする。

川崎汽船は商業ベースで世界初となるCCS向け液化CO2輸送を今年開始する予定。今後、国内外で順次始まる液化CO2輸送船舶の運航を通じて得られる知見を、本検討をはじめとする将来の事業開発に活用していく構え。

(藤原秀行)

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