JR貨物、600km前後の中距離帯モーダルシフト対応強化

JR貨物、600km前後の中距離帯モーダルシフト対応強化

新中計公表、水素輸送対応や新幹線による輸送を検討

JR貨物は4月2日、2024~26年度の3年間を対象とする新たな中期経営計画を取りまとめた。

政府が「2024年問題」対応の一環として、トラックから鉄道へのモーダルシフトを加速させる方針を示していることなどを踏まえ、既存アセットを最大限活用した輸送量拡大やコスト抑制、先進技術の活用などを促進する方針を表明。鉄道ロジスティクス事業の営業黒字化を目指す。

連結売上高は22年度実績の1876億円から26年度は2160億円へ引き上げることなどを目標に設定。鉄道ロジスティクス事業は営業収支で22年度の162億円のマイナスから10億円以上のプラスまで回復させ、黒字転換を図る。3年間の成長・戦略投資額(不動産事業含む)は約550億円を投じることを予定している。

災害に弱いとの指摘が多いことを考慮し、輸送障害から迅速に立ち直ることができるよう、グループ会社や外部の協力会社などと連携して大規模災害発生時にはすぐにトラックや内航航路を代行手段として活用できる体制を整備することも盛り込んでいる。

モーダルシフト需要への対応として、貨物鉄道輸送がコストなどの面で強みを持つ800km以上の長距離帯に加え、600km前後の中距離帯でもトラックからの切り替えに応じられるよう輸送力を拡充する。

取扱量拡大をカバーするため、コンテナホームの拡幅や路盤改良、荷役機器や新型コンテナの増備などを進める。

脱炭素の潮流が強まっているのを踏まえ、水素の輸送が可能な設備の開発・設置を検討していくことや、貨物駅の荷役作業を計画的に進められるマネジメントシステムの展開、大型コンテナに対応した次世代低床貨車の開発、新幹線による貨物鉄道輸送の検討も列挙している。

(藤原秀行)

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