責任明確化、「経営品質協議会」設置など再発防止策も公表
鴻池運輸は4月19日、従業員が架空請求・横領を行っていた件に関し、内部統制調査委員会(委員長・山田庸男弁護士)から受け取った最終調査報告書と、同報告の提案を踏まえた再発防止策を公表した。
この中で、問題の責任を明確化するため役員報酬を3カ月間減額する。減額幅は鴻池忠彦会長兼社長が30%、鴻池忠嗣取締役専務執行役員が20%。
再発防止のため、鴻池会長兼社長をトップとする「経営品質協議会」を立ち上げ、不正を許さないとの経営トップのメッセージを社内外に発するとともに、再発防止策の推進を担うほか、社内で定期的に実施しているコンプライアンス意識調査の内容見直し、研修制度の再整備・強化などを進める。
最終調査報告書によれば、ある支店の課長が21年10月から23年10月までの2年間にわたり、部下の副長と組み、取引業者計7社の協力を得て実態のない架空の業務を発注したと偽り、請求書などを作成、不正に自社の資金を流出させていた。
また、課長らは7社から現金でキックバックを受け、私的に着服していた。調査を進める過程で、この支店で他にも不適切な会計処理を行っていたことが発覚した。
(藤原秀行)