安全な運送実現など見込む
Spectee(スペクティ)は2月3日、近年豪雪や吹雪の被害が相次いでいることを受け、独自のAIを活用し、大雪時に発生する車両の滞留(スタック)を検知する新技術を開発、1月30日付で特許を申請したと発表した。
物流のスタック回避や安全な運送の実現、自治体や道路管理者の雪害対策効率化や対応迅速化などにつなげられると見込む。サービスを提供する時期や方法は今後詰める。
2024年2月5日に神奈川県箱根地域で発生した車両滞留を再現したイメージ。赤色の濃い箇所ほど滞留のリスクが高いことを表している(Spectee提供)
新技術は自動車のプローブデータ(自動車の走行位置、速度など)や、SNSなどを基にした過去の車両滞留の発生場所の情報、気象情報などを複合的に活用し、独自のAIで解析した上で、地図上の地域を網の目(メッシュ状)に分割して表示、滞留状況を分かりやすく可視化する。
同社はこれまでにも道路カメラを活用してスタックを検知する技術を開発してきた。ただ、カメラを活用した場合はカメラ設置箇所でしか検知できず、カメラ設置台数が少ない山間部など、広い地域をカバーすることが困難だった。
カメラの映像を24時間リアルタイムで解析するのはコスト面でも大きな課題があった。同社は自動車のプローブデータを活用することで、より広範なエリアで、より安価にスタックを検知できるようにした。
(藤原秀行)