IHI原動機のデータ改ざん「船舶の環境・安全性能確保の観点からも極めて遺憾」

IHI原動機のデータ改ざん「船舶の環境・安全性能確保の観点からも極めて遺憾」

斉藤国交相が強く非難、厳正に対応する意向表明

斉藤鉄夫国土交通相は4月26日の閣議後記者会見で、IHIグループのIHI原動機が製造している船舶用エンジンなどの「燃料消費率」のデータを改ざんしていた問題に関し「ユーザーからの信頼を損なう行為であり、船舶の環境・安全性能の確保の観点からも極めて遺憾」と強く非難した。

同社のエンジンがNOx(窒素酸化物)規制を順守できていると確認するまで、国交省として規制基準を満たした製品と示す証書を同社に交付しないと決めたことや、4月25日に同社の関係工場へ立ち入り検査を始めたことに触れ、「必要な調査を速やかに実施し、事実関係を確認した上で厳正に対応していきたい」と語った。

また、IHI原動機製のエンジンを海上保安庁の巡視船艇の一部で使っていることを認めた上で、証書を交付しないため同社がエンジンを出荷できなくなり、巡視船艇の建造に影響するのではないかと問われたのに対し、「まずはIHI原動機からの詳細な説明を踏まえて判断していくものであり、海上保安庁において適切に対応していくものと承知している」と述べるにとどめた。

今回の件を含め、自動車や部品の大手メーカー技術部門で不正が続発していることへの所見を問われたのには、自身も大手建設会社で技術職を経験したことを踏まえ「日本のものづくりの現場で技術者魂が失われてきているのではないか、ということをその分野で育ってきた人間として、大変危惧をしている。二度とこのようなことがないようなものづくりの現場にしていくという決意で私も取り組んでいきたい」と話した。

(藤原秀行)

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