SGHD・川中子取締役、宅配全体での「置き配」検討と説明

SGHD・川中子取締役、宅配全体での「置き配」検討と説明

2024年問題対応で中継拠点の大型化推進

SGホールディングスの川中子勝浩取締役は4月30日、東京都内で開催した2024年3月期決算説明会で、宅配事業の業務効率改善と顧客満足度向上の一環として、宅配サービス全体で「置き配」の導入を検討していることを明らかにした。

宅配大手ではヤマト運輸が、主力の「宅急便」と「宅急便コンパクト」に関し、6月以降、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」に加入していれば置き配を選択できるようにする方針を表明済み。

川中子氏は現状、EC事業者ら荷主との交渉の中で希望があれば置き配を実施していることに触れた上で「全ての荷物(を置き配の対象にするかどうか)については別途検討しており、ニーズを踏まえながら進めていきたい」と語った。 

また、「2024年問題」対応として長距離幹線輸送への「中継輸送」導入拡大を図るため、中継拠点の大型化を進めていると説明。

東京~大阪間の中継ポイントとして静岡県浜松市に構えている拠点を大型化するとともに、東京都江東区新砂でグループの佐川急便など向け大型拠点「Xフロンティア」の近隣でもう1カ所、大型拠点を整備しているほか、兵庫県尼崎市にも同じく大型拠点を設けていることに言及。「さらに効果を高めていく」と語った。

取り扱い個数の前年割れが顕在化している宅配については、物価上昇による実質賃金低下のあおりなどで消費が落ち込んでいるとの見方を示した上で「実質賃金は今期(25年3月期)の後半からプラスを見込めるのではないかという見方が多くなっていることもあり、営業活動を行うことも含め(取扱量の)微増を想定している」と強調。今後の復調に期待をのぞかせた。


会見する川中子氏

(藤原秀行)

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