サプライチェーン構築を共同で検討、脱炭素図る
羽田空港の旅客ターミナル運営を手掛ける日本空港ビルデングとユーグレナは5月8日、同空港で航空会社に環境負荷の低い航空燃料「SAF」を供給・販売する事業の展開に向け連携すると発表した。
サプライチェーンの構築に共同で取り組む基本合意書を締結。併せて、ユーグレナが発行する第1回無担保普通社債(グリーンボンド)10億円分を日本空港ビルが引き受け、資金面で支援する。
政府が目標に掲げている「国内における2030年のSAF供給目標量を航空燃料消費量の10%」を達成するため、羽田空港の2022年航空燃料供給実績で試算した結果、年間約22万KLのSAFが必要になる見通し。
今後、両社で協力し、日本拠点でのSAF供給を希望する航空会社に対して、必要量の約23%に相当する最大5万KLのSAFを供給できる体制の構築を目指す。
ユーグレナはバイオ燃料事業の商業化を目指し、マレーシアの国営石油会社PETRONAS(ペトロナス)やイタリアのEni(エニ)とともにマレーシアでバイオ燃料製造商業プラント建設・運営プロジェクトを進めている。商業プラント完成後の国内ユーザーへの大規模供給やサプライチェーン構築に向け、継続供給先の開拓やパートナーシップの拡大を図っている。
航空領域の脱炭素を進めたい日本空港ビルデングと思惑が一致し、日本空港ビルデングとユーグレナの間でSAF領域の事業連携に踏み込むことにした。
第1回無担保普通社債(グリーンボンド)の発行条件
項目 |
内容 |
---|---|
発行する債券の種類 |
無担保普通社債 |
発行総額 |
金1,000,000,000円 |
払込日 |
2024年5月10日 |
償還期限 |
2030年5月10日 |
利率 |
年1.24%(税引前) |
利払日 |
年2回(5月10日、11月10日) |
発行価額 |
額面100円につき金100円 |
償還価額 |
額面100円につき金100円 |
償還方法 |
満期一括償還 |
資金使途 |
バイオ燃料製造商業プラントの建設関連資金 |
その他 |
グリーンボンド評価(R&I)を取得したグリーンボンド・フレームワークに基づく発行 |
(藤原秀行)※いずれも日本空港ビルデングとユーグレナ提供