アジア展開拡大目指す
KDDIとドローン開発を手掛ける米Skydio(スカイディオ)は5月13日、資本・業務提携契約を5月7日付で締結したと発表した。KDDIがSkydioに100億円超を出資する予定。具体的な出資比率は開示していない。
KDDIが持つ高速通信規格5GやAIを活用した映像処理などの先進技術と、グループでドローン関連事業を担っているKDDIスマートドローンが蓄積してきたドローン物流などの経験、5Gに対応し屋内や暗闇での自律飛行が可能なSkydioの最新ドローン「Skydio X10」を組み合わせ、ドローン市場の開拓を加速させたい考え。
具体的には、両社グループが連携し、ドローンを使った橋梁や鉄塔といったインフラ設備の点検、災害時の物資輸送や生存者探索など復旧支援の需要掘り起こしを図る。日本でソリューションを確立し、アジアへ展開していくことも念頭に置いている。
提携と併せて、KDDIスマートドローンはアジア太平洋地域の11カ国でSkydioのドローン製品の独占販売権を取得。ソリューションにSkydioの高性能ドローンを組み合わせて提供することも目指す。
Skydioは既にNTTドコモと提携しているが、新たにKDDIグループとも連携を強化し、日本を軸にアジア市場で存在感を高めていくことを狙う。
東京都内で同日、記者会見したKDDIの松田浩路取締役執行役員常務CDO(最高デジタル責任者)先端技術統括本部長は「日本でまずソリューションをうまく成功させ、さらに(日本の)外に出していきたいとの思いがある。日本は(人口減少など)社会課題の先進国なので、ドローンの活用シーンをしっかり作って事業展開していきたい。(提携で)点検や災害対応の領域でゲームチェンジャーになることができると確認している」と意気込みを語った。
Skydioのトム・モスChief Corporate Development Officer(最高経営戦略責任者)は「日本でソリューションを成功させることができればアジア太平洋地域全体でも提供が可能だと思う。(KDDIグループとの)パートナーシップを大切にしていきたい」と事業拡大に期待を寄せた。
会見後の撮影に応じるKDDI・松田氏とSkydio・モス氏
「SKydio X10」
(藤原秀行)