グループでメンテ国内最大手の北拓と共同、人材育成図る
商船三井は5月21日、今年1月に買収した風力発電設備のメンテナンス国内最大手の北拓(北海道旭川市)と共同で建設を進めてきた、洋上風力発電の実用的な運用・保守管理に特化したトレーニング設備が北拓の北九州支店(北九州市)敷地内で完成したと発表した。
国内で初めて洋上風車の基礎と風車タワーの接続部分に相当するトランジションピースを使ったトレーニング設備。北拓が有するメンテナンスのノウハウと洋上風力発電事業で先行する欧州の事例を参考にして、洋上風力発電特有のリスクを想定したメンテナンストレーニングを実施できるようにしている。
トレーニング設備の外観
北九州港は洋上風力発電に関する基地港湾に指定され、北九州市として風力発電などのエネルギー関連産業の集積を目指す「グリーンエネルギーポートひびき」事業が進められている。西日本における洋上風力発電の拠点としてサプライチェーンが拡充している。
北拓のメンテナンス技術員に加え、洋上風力発電メンテナンスに関わる全ての人が同設備でトレーニングを受けられる。洋上風力発電を安全・安定的に長期にわたり運営できる人材を育成することで、洋上風力産業の発展を後押しする。
両社の強みを掛け合わせ、洋上風力発電のバリューチェーン全体で業界のパートナーから選ばれる存在になることを目指す。
本設備は北拓が代表補助事業者、商船三井が参加補助事業者として、経済産業省資源エネルギー庁の令和4、5年度「洋上風力発電人材育成事業費補助金」に採択され、建設を進めてきた。
トレーニング内容(いずれも商船三井提供)
(藤原秀行)