ヤマトHDのCVC、水を用いた小型人工衛星用推進機開発手掛ける東京大発スタートアップに追加出資

ヤマトHDのCVC、水を用いた小型人工衛星用推進機開発手掛ける東京大発スタートアップに追加出資

活用の広がり想定、新たなビジネスの可能性探る

ヤマトホールディングスは6月4日、グローバル・ブレインと組成したコーポレートベンチャーキャピタルファンド(CVCファンド)「KURONEKO Innovation Fund(クロネコ・イノベーション・ファンド)」を通じて、水を推進剤とする小型人工衛星用の推進機(エンジン)開発を手掛ける東京大学発のスタートアップPale Blue(ペールブルー、千葉県柏市)に追加出資したと発表した。

Pale Blueへの出資は2021年に続いて2回目。具体的な出資額は開示していない。


Pale Blueが開発した推進機(ヤマトホールディングス提供)

多くの推進機は推進剤に高圧ガスや有毒な物質を使っているが、Pale Blueは水を用いることで宇宙環境や作業者の安全も考慮。2023年3月にPale Blueが開発した推進機が小型人工衛星に搭載され、宇宙での作動に初めて成功した。

今後も、国内外の宇宙産業で利用が広がることが期待されており、Pale Blueのこれまでの実績や拡大傾向にある小型人工衛星市場での事業拡大が期待されている点、技術革新を続けている点を評価し、追加出資に踏み切った。

追加出資により、宇宙産業に対する知見を深め、新たなビジネスの可能性を掘り起こしていきたい考えだ。

(藤原秀行)

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