公取委の調査結果公表、代金の減額や支払い遅延も目立つ
公正取引委員会は6月6日、荷主企業と物流事業者の取引に関する2023年度の調査結果を公表した。
荷主企業と物流事業者7万社への書面調査を実施。その回答内容を踏まえて人件費や燃料費などの上昇が続く中でも物流事業者と協議しないまま取引価格を据え置くなどの行為が疑われた荷主企業121社に立ち入り調査を行った。
その結果、独占禁止法の違反行為に該当する恐れのあった荷主企業573社へ具体的な懸念事項を記した注意喚起文書を送付、取引内容を見直すよう求めた。
疑いのある行為の具体的な内容については、「買いたたき」が239件、「代金の減額」が142件、「代金の支払い遅延」が117件、「不当な給付内容の変更・やり直し」が106件などとなった。1つの企業で複数の注意喚起文書を送った先もあるため、合計の件数は企業数を上回った。
また、業務の発注者が優越的な地位を利用して取引先に不利益を与える「優越的地位の濫用」に該当する恐れがあるとして注意したのは17件に上った。
(藤原秀行)