台湾は配送に電動三輪車採用
フェデラル エクスプレス(フェデックス)は6月20日、アジア太平洋地域で事業や社会の持続可能性を高めるための取り組み状況を公表した。
ネットワーク全体の温室効果ガス排出量削減への重要な戦略として、車両の電動化を推進。2023年度には世界中で7136台の舗装路・未舗装路を走行可能なEV車両を運用した。
アジア太平洋地域では、マレーシアでEV車両を導入したほか、中国では24年度末までに同国の集配車両の20%をEV車両が占めるようになると予測している。
加えて、マレーシアとシンガポール間ではEV車両による初の国際輸送の記録を樹立。台湾では地上配送車両に電動三輪車を採用し、各地域における輸送業務の環境に最適な車両を導入する活動を継続している。
インフラ整備では、23年度に北京の集配施設を含む34のグローバル施設が敷地内または敷地外で太陽光発電を実施。中でも、北京の施設屋上太陽光発電は、従来の石炭火力発電によるCO2排出量を年間350t抑制できるとみている。
シンガポールの地域本社のような新施設は、照明、暖房、換気、空調のエネルギー効率に関する認証を取得。今年1月に開設した上海の中国本社は、LEED(エネルギーと環境デザ
インにおけるリーダーシップ)GOLD 認証を獲得した。
職場におけるより持続可能性を促進するための取り組みとして、中国では1万1000人のフェデックス従業員が「GoGreen」プログラムに参加し、日常業務における電気、水、紙、燃料の消費削減を図っている。同様の活動は現在、アジア太平洋地域の他の市場でも行われている。
素材のアップサイクルも積極的に実施しており、例えば古い制服は配送担当者のウエストバッグに、古い木製のスキッドは猫砂にそれぞれアップサイクルされています。
フェデックスの社会貢献活動「FedEx Cares(フェデックス・ケアズ)」は、物資の輸送、従業員によるボランティア活動、慈善事業への寄付などを通じて、世界をより良くすることを目的とした世界的な地域社会への貢献プログラム。
昨会計年度の5月31日までに、フェデックスはアジア太平洋地域の11カ国・地域におけるボランティア活動など持続可能なプロジェクトへの財政支援を前年度比で30%増やした。
この取り組みの一環として、フェデックスの従業員は地域全体でボランティアとして海岸や川岸の清掃活動に参加し、環境回復と保護のために3400本を植樹した。
貢献意欲と能力を兼ね備えた人材育成のため、ジュニア・アチーブメント(JA)との共同プロジェクト「インターナショナル・トレード・チャレンジ」を通じて、若年層における起業家精神の育成を支援。本プログラムは毎年開催し、これまでにアジア太平洋地域の10カ国・地域から5000人以上の学生が参加。世界貿易、製品流通、競争、販売などに関する理解を深めているという。
今年の参加者には、持続可能な配送ソリューションを実現する製品の市場参入戦略を策定する課題が与えられた。
(藤原秀行)