「1対多」運航対応の管理システム使用
KDDIと日本航空（JAL）は6月28日、埼玉県秩父市吉田地区で5月15日に、1人の操縦者が東京都内から遠隔操縦の上、ドローン3機体を同時に運航、防災用品・食品を配送する実証に成功したと発表した。
操縦者1人で複数のドローンを遠隔操縦できるようになれば、ドローン運航の業務効率化とコスト抑制につながるため、関係者の間では物流などへの導入を進めることに期待が高まっている。
今回の実証はNEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）が推進する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト（ReAMo＝リア＝プロジェクト）」の一環として実施した。
航空法に基づき、ドローンの搭載カメラから歩行者を確認するなど一定の条件を満たせば、地上の補助者や立ち入り管理措置が不要となる「レベル3.5」飛行で実施した。
KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発する運航管理システムに、JALが航空事業で培った安全運航の知見･ノウハウに基づく機能の追加やオペレーション・プロシージャー（注2）を組み合わせ、安全・安心に複数機を遠隔操縦できる体制を構築の上、実施した。
2社は今後、「1対多」運航の事業化に向け、運航要件の検討や運航管理システムの開発および実証を継続、ビジネスモデルの確立を目指す。併せて、実証の知見を活用し、「1対多」運航に関するルール整備を推進し、より安全かつ効率的なドローンの社会実装を目指す。
実証場所（飛行ルート）
埼玉県秩父市吉田地区
ルートA：秩父市吉田総合支所⇒阿熊地区（約2.5km）
ルートB：道の駅 龍勢会館⇒阿熊地区（約2.5km）
（藤原秀行）※いずれもKDDIとJAL提供
