ダスキンがレンタルマット・モップ管理にRFIDタグ導入、検品・検数作業時間を8~9割削減見込む

ダスキンがレンタルマット・モップ管理にRFIDタグ導入、検品・検数作業時間を8~9割削減見込む

労働力不足に対応、在庫管理効率化も期待

ダスキンは7月1日、マットやモップなどをレンタルする「ダストコントロール事業」の主力商品の1つ、約2400万枚の「レンタルマット・モップ」をRFIDタグで管理する取り組みを同日開始したと発表した。

入出庫時の検品・検数作業時間を80~90%削減するなど、大幅な負荷軽減が可能と見込む。今後はRFIDタグのデータを在庫管理効率化に活かす仕組みを構築し、スマートファクトリー化を推進する。

業務の効率化を大幅に進め、深刻化する労働力不足に対応した体制を構築するとともに、より良い職場環境を整備したい考え。

同社は現行の中期経営計画でサステナブルな洗浄・物流体制の構築を掲げており、特に労働力不足や業務効率化が急務となっている。その一環でレンタルマット・モップの入庫・出庫時における検品・検数作業の負荷軽減と業務改善が大きな課題だった。

検品・検数作業やその他の業務改善に効力を発揮し、今後さらに進むとみられる労働力不足への対応の鍵となる「RFIDタグ」を開発。2022年11月にレンタルマット・モップへの取り付けを進めてきた。

今回導入したRFIDタグは使い捨てではなく、繰り返し使えるタイプを採用。レンタルマット・モップはさまざまなシーンで利用され、洗浄と乾燥を何度も行う商品のため、高い耐久性が求められたが、同社規定の洗浄・乾燥テストをクリアして、耐久性を担保できるようになったという。

加えて、RFIDタグが持つ固有のID情報により、在庫管理をする作業時間を短縮することも可能になった。

■「RFIDタグ」取り付けによる効果

入・出庫の検品・検数の作業時間が80~90%削減されることで、従業員の労働負担を大幅に軽減し、効率的な業務運営が可能になると想定。他にも在庫管理の精度が上がり、日次棚卸作業が不要になる効果が見込まれる。

また、タグに登録されたサイズや種類などの情報を自動的に読み込めるため、検品作業時のミスが大幅に減少。商品を誤配送する回数の削減にもつながると期待している。

今後、一部作業においては個人の業務経験やスキルに影響されなくなり、初心者も働きやすい環境を実現できると計画している。

レンタルマット・モップの洗浄を行う工場「生産事業所」はフランチャイズ加盟店からレンタルマットやモップを回収し、洗浄・乾燥・仕上げを行い、きれいになった商品を出庫する、循環型レンタルシステムの中心的な役割を担っている。全国に45カ所存在し、レンタルマット・モップの年間出庫数は約1億3100万枚に達している。

■RFIDタグシステム開発史
2019年4月 販グループ・生産本部合同プロジェクト発足
2019年9月 レンタルマット・モップへの「RFIDタグ」取り付け開始(沖縄県のみ)
2022年9月 沖縄県での運用テスト開始
2022年11月 全国運用に向けて「RFIDタグ」取り付け開始
2024年7月 「RFIDタグ」システム全国運用開始

(藤原秀行)※いずれもダスキン提供

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