告示順守違反や点呼未実施など、25年1月施行目指す
国土交通省は7月1日、トラックなどの自動車運送事業者に対する行政処分の基準改正案を公表した。
政府が昨年6月、「2024年問題」対応などを盛り込んだ「物流革新に向けた政策パッケージ」で、悪質な事業者の排出を図るため国交省による監査体制充実などを打ち出しており、今回の措置もその一環。
トラックやバス、タクシーの事業者に対し、酒酔い・酒気帯びでの車両運行が判明した際、指導監督義務や点呼実施の違反があった場合はそれぞれ、初めての違反で100日の車両停止、再違反で200日の車両停止とする。
また、トラック事業者について、勤務時間などの告示順守違反は現在、未順守が6件以上15件以下だった場合は初めての違反で10日、再違反で20日のそれぞれ車両停止、未順守が16件以上の場合は初めての違反で20日、再違反で40日のそれぞれ車両停止を科している。改正により、6件以上の場合、初めての違反は未順守1件当たり2日、再違反時は4日それぞれ車両停止となる。5件以下の処分内容は維持する。
併せて、点呼未実施は現行の基準で、20件以上49件以下あった場合に初めての違反で10日、再違反で20日、50件以上でそれぞれ20日、40日と定めている。改正後は20件以上で、初めての違反は1件当たり1日、再違反時は1件当たり2日それぞれ車両停止とする。19件以下については変更しない。
悪質な違反への対応をより強化しているのが特徴。国交省は7月1日、改正案に関するパブリックコメント（一般からの意見募集）を開始した。7月いっぱい募集した上で、今年8月中に通達改正を通知し、2025年1月中の施行を目指している。
（藤原秀行）
