鴻池運輸が北インドで鶏卵の安全輸送実証を開始へ

鴻池運輸が北インドで鶏卵の安全輸送実証を開始へ

農水省FS事業に採択、鶏卵最大手のイセ食品が協力

鴻池運輸は5月27日、農林水産省「令和元年度フードバリューチェーン構築推進事業」のインド向け事業化可能性調査(FS)支援で同社が提案していた「北インドでの鶏卵の安全・安心・確実な輸送の実証」が採択されたと発表した。国内鶏卵業最大手のイセ食品(埼玉・鴻巣市)と5月から約9カ月間にわたって実証実験を行う。

鴻池が実施主体となり鶏卵の鮮度・形状を保ったまま遅滞なく輸送することを検証。1次調査では最も気温の高い時期である5月末に定温トラックで輸送シミュレーションを行い、この結果を踏まえてモンスーン時期の9月ごろに2次調査を計画している。今実証では現地産の鶏卵を使用する予定。

経済と人口が持続的に拡大しているインドで手軽なタンパク質の供給源として注目されつつある鶏卵だが、現状は小規模な企業・農家によって地域内で生産・消費されているケースが大半。日本のような大量供給と農場での洗浄・パック詰め・即時輸送という体制は取られておらず、現地特有の気候や整備途上の道路も加わり消費地の大手スーパーマーケットをはじめとする納品先への鮮度・品質を維持した輸送に多くの課題を抱えている。

鴻池はインドにおける自動車鉄道輸送や国際検体、メディカル関連などの活動実績を生かし、イセ食品の鶏卵農場・パック詰め工場の現地展開とともに安価で高栄養価の鶏卵がインド全土で安定供給されることに貢献していきたい考え。また今年4月1日付でインド統括本部を設置。インド展開を成長事業の一つと位置付け積極的に市場開拓も進めていく。

(鳥羽俊一)

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