西濃とプロジェクト、関連業務紹介し直に職場触れられる機会創出
物流などの単発アルバイトのマッチングアプリを手掛けるタイミーの小川嶺代表取締役CEO(最高経営責任者)は7月26日、東京証券取引所グロース市場に同日上場したのを受け、ロジビズ・オンラインなどの取材に応じた。
小川CEOはマッチングの対象で主力となっている物流分野に関し、トラックドライバーの負荷低減や人材不足解消を後押しするため、ドライバーに関わる周辺業務の求人情報を積極的に紹介し、タイミーのアプリを使って空いているタイミングに短時間働くスポットワーカー(スキマバイト)が運送の現場を実際に垣間見る機会を創出することでドライバーを志望する人を増やしていく取り組みを継続していきたいとの考えを表明した。
また、センコーと連携して次世代と連携し、スポットワーカーを活用した物流施設運営効率化の実証実験を続けていることについて「未来の倉庫とは何かを考えた時に、残業しなくてすむ、誰が来ても簡単に働ける環境を作るということであれば、一緒にコラボレーションできそうだということになった。残業が一切なく、地域の人が働きに行きやすい倉庫を作りたい」と狙いを解説した。
取材に応じる小川CEO
データ使い「働きぶり」評価可能に
小川CEOは、現状マッチングサービスではドライバー職自体は取り扱っていないものの、「例えば横乗りのような業務でドライバーさんと一緒に仕事する中で、ドライバーさん自身に仕事の魅力を語ってもらうことで転職を考えている人からすると心が揺さぶられて、ドライバーになってみようかなという気持ちになる。そうしたプロジェクトを西濃運輸さんと一緒に展開している」と説明。
プロジェクトの結果、実際にドライバーの正社員採用につながった事例が出ていることに言及し、「ドライバーに関わる業務をなるべく切り出してマッチング対象にすることをこれからもやっていきたい。ドライバーさんの負荷軽減と、ドライバーになる道をもう少し明確化するという両面で志望者を増やしていきたい」と語った。
また、競合とのマッチングサービス差別化に向け「タイミーしか持っていないデータ、タイミーしか実現できていない切り口で今後もやっていきたい」と強調。
その一例として、アルバイトとして働く人の正社員転身やキャリアアップを後押しするサービス「タイミーキャリアプラス」は働きぶりに関するデータを活用し、「この人であれば安心できるのでぜひ雇ってみてくださいということを、確信を持って企業に届けられる」と指摘。就労の姿勢や意欲を正当に評価することで、働き手がよりやりがいを感じられるようにし、企業とのミスマッチも解消していけるとの見解を示した。
(藤原秀行)