労基関連法令違反、トラック事業場は8割超で確認

労基関連法令違反、トラック事業場は8割超で確認

厚労省23年集計、改善基準告示違反も58.3%でいずれも改善見られず

厚生労働省は7月30日、全国の労働基準監督署などが2023年、トラックやバス、タクシーといった自動車の運転者を使用する事業場に対して実施した監督指導(立ち入り調査)や送検などに関する状況を公表した。

監督指導を実施した3711事業場のうち、労働基準関係法令の違反が認められたのは82.2%の3049事業場に達した。

また、改善基準告示に違反しているケースを確認したのは53.9%の1999事業場に上った。

業種別を見ると、トラックは監督指導を行った2928事業場のうち、労働基準関係法令の違反が見られたのは81.6%の2389事業場、改善基準告示違反があったのは58.3%の1706事業場だった。

労働基準関係法令の違反の内訳は、労働時間が48.0%(1405事業場)、割増賃金支払いが19.4%(569事業場)、労働時間の状況把握が6.5%(191事業場)などが目立った。

改善基準告示違反は最大拘束時間が43.3%(1269事業場)、総拘束時間が33.4%(979事業場)、休息期間が32.5%(952事業場)、連続運転時間が29.7%(871事業場)、最大運転時間が21.4%(628事業場)などとなった。

労働基準関係の法令違反があったトラックの事業場の割合は、21年の81.2%(3037事業場中、2465事業場)、22年の82.8%(3079事業場中、2549事業場)から大きくは改善していない。

改善基準告示違反の割合も、21年の57.8%(1754事業場)、22年の58.1%(1790事業場)とわずかながら上昇した。

一方、悪質な事案として送検した件数は54件で、このうちトラックが45件と大半を占めた。トラックの事業者の送検は21年の32件、22年の44件と上昇傾向が続いている。

(藤原秀行)

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