初の南海トラフ臨時情報発表、防災体制呼び掛け
気象庁は8月8日、宮崎県沖の日向灘で同日午後、マグニチュード(M)7.1の地震が発生、最大震度6弱を観測したのを受け、大規模地震の起こる可能性が平常時より相対的に高まっているとして、南海トラフ地震臨時情報の「注意」を発表した。
同庁が臨時情報で注意を呼び掛けたのは初めて。
気象庁は「最大規模の地震が発生した場合、関東地方から九州地方にかけての広い範囲で強い揺れが、また、関東地方から沖縄地方にかけての太平洋沿岸で高い津波が想定されている」と強調。政府や自治体からの呼び掛けなどに応じた防災対応を取るよう求めている。
南海トラフ地震臨時情報は2017年に政府が運用を開始。気象庁が監視している、南海トラフ地震の震源地として想定される地域でM6.8以上など大きな地震が起きると、まず南海トラフ地震臨時情報を「調査中」として発表、専門家による検討会を開いてを評価した上で、自治体や住民らの注意を喚起する。
その後、評価の結果として最短で2時間後、一部の住民に事前避難を求める「警戒」、地震への備えを再確認してすぐに避難できるようにすることを呼び掛ける「注意」のいずれかを出す。ともに対象期間は1週間を基本としている。そのまま「調査終了」となる場合もある。
今回の地震は8月8日の午後4時43分ごろに発生。宮崎県日南市で震度6弱、宮崎市と鹿児島県大崎町で震度5強を観測するなど、広い範囲で強い揺れが起きた。
(藤原秀行)