特別委で検討開始
セブン&アイ・ホールディングスに対し、カナダのコンビニやガソリンスタンド運営大手アリマンタシォン・クシュタールが買収を提案したことが分かった。
セブンは8月19日、日本経済新聞などが買収提案を報じたのを受け「内密に、法的拘束力のない初期的な買収提案を受けていることは事実」との談話を発表、報道内容を大筋で確認した。アリマンタシォンは同日時点で、買収提案に関して公式にはコメントしていない。
セブンによると、アリマンタシォンからの提案を受け、企業買収に関して経済産業省がまとめた行動指針に基づき、独立社外取締役のみで構成する特別委員会を立ち上げた。同委で受け入れるかどうか検討する。セブン取締役会は同委からの答申を踏まえ、対応を正式決定する。
セブンは談話で「当社取締役会および特別委員会は、アリマンタシォン・クシュタールからの提案を受け入れ、もしくは拒否するか、同社と議論を開始するか、または代替的取引を進めるかに関し決定していない」と説明、現状では全く方針が決まっていないことを強調している。
買収提案の具体的な内容はアリマンタシォンとセブンのいずれも明らかにしていない。ただ、セブンの時価総額は8月19日の終値時点で5兆円を超えており、買収の実現には相当の資金が必要になりそうだ。
アリマンタシォンはトロントの証券取引所に上場し、欧米を中心に約30カ国・地域で「クシュタール」や「サークルK」などのブランドの約1万7000店舗を運営している。2024年4月期の売上高はガソリンスタンド運営分も含めると692億6350万ドル(約10兆3900億円)だった。
(藤原秀行)