タカラスタンダード、トラックの平均待機時間を3年で1時間短縮

タカラスタンダード、トラックの平均待機時間を3年で1時間短縮

顧客満足度高める物流改革、荷扱い講習も大々的に実施

システムキッチンなど住宅用設備大手のタカラスタンダードは5月30日に公表したニュースレターで、顧客満足度向上を図るための物流改革の取り組みを紹介した。

全国で荷扱いの講習を行い、トラックドライバーのサービスレベル改善を実現。併せて物流センターの入出荷業務を効率化し、配送用トラックの平均待機時間を3年間で1時間短縮することに成功した。

荷扱い講習については、ドライバー不足が深刻化する中、新人でも正しい荷扱いや輸配送を行えるよう、2018年11月から全国の協力運送会社を対象にDVDの荷扱い講習を実施。同社で物流を統括しているロジスティクス部の社員を全国に派遣した。講習は19年3月時点で93回、受講者数は776人に達した。

講習参加者には受講証を渡し、業務に対する各ドライバーの意識向上に努めている。講習で実際に商品を扱っている運送業者の声を紹介し、輸配送中のダメージ軽減のための梱包改善を図っている。同社は「今後は物流品質の向上につながる商品開発も行っていく」と意欲をのぞかせた。


荷扱い講習の受講証

一方、待機時間削減は、背景として同社は18カ所の工場から商品や仕入れ品などを全国5カ所の物流センターに集約しており、出荷時は商品の種類が多くなるためどうしてもトラックの待つ時間が長くなる傾向にあると指摘。

商品の照合作業は紙の納品書ベースから、ASN(事前出荷通知)データを使いハンディーターミナルによる作業に切り替え、入庫業務の迅速化に成功。さらにWMS(倉庫管理システム)を刷新したことで、予定している到着時間に合わせて作業を完了させられるようになり、18年度の平均待機時間は2時間40分と、3年間で1時間減らすことができた。出荷作業の抑制にも成功しているという。


入庫時の検品に使用しているASNシステム(写真はいずれもタカラスタンダードのニュースレターより引用)

同社は輸送のパレタイズ化やモーダルシフト推進などにも取り組んでいると強調。「運送事業者のコンプライアンス順守で選ばれる荷主になること、物流の高回転化を推進し効率的な輸配送を実現することで、安定的な商品供給と高い顧客満足度の維持に努める」と話している。

(藤原秀行)

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