ウーバー配達員労組、公取委に報酬決める「アルゴリズム」の調査要請

ウーバー配達員労組、公取委に報酬決める「アルゴリズム」の調査要請

公正性に疑念、「都合の良いように報酬を自由に操作できるのでは」

ウーバーイーツの配達員らで構成する労働組合「ウーバーイーツユニオン」は8月19日、ウーバーイーツ事業を展開しているウーバー日本法人がそれぞれの配達の報酬を決めているルール「アルゴリズム」に関し、公正性に疑念があることなどを理由に、公正取引委員会にアルゴリズムの内容を調査するよう同日付で申告、要請したと発表した。

申告は、独占禁止法に違反する事実があると思う場合、誰でも公取委にその事実を報告、適当な措置を講じるよう求めることが可能な制度。

会社側の説明によれば、アルゴリズムは注文数と配達員数の需給バランスを加味して報酬を決定しており、受け取り場所や届け先が複数ある場合は報酬に反映されているという。

労組はウーバーが今年7月20日以降、アルゴリズムを事前の説明なく変更し、低い単価の配達案件が増えている可能性があると指摘。2つの商品を届けていても1件配達する場合の最低料金と変わらない場合があるなど、不審な点が多く見られるとして、8月2日に日本法人のウーバージャパン、ウーバーイーツジャパンに説明を求めるよう申し入れた。

労組が公開した会社側の8月8日付回答では、配達員が個人事業主であることを理由に「貴組合は当社の従業員で組織された労働組合法上の『労働組合』には該当しないと理解しており、(申し入れの事項に)お答えする立場にない」と表明、詳細の回答を拒否した。

労組は会社側の対応を不服として、公取委に調査を要請。「会社の都合の良いように報酬を自由に操作できる『ブラックボックス化』された報酬アルゴリズムになっているのではないか」と疑問を呈している。

(藤原秀行)

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