携帯通信網やWi-Fi介し安定・高品質の会話可能、クラウドでスタッフの現在地把握
米業務用無線大手モトローラ・ソリューションズは5月31日、新たな無線通信サービス「WAVE ブロードバンド・プッシュツゥートーク」を日本で始めたと発表した。
携帯電話通信網やWi-Fiを介し、専用のブロードバンド通信機同士で安定かつ高音質の会話が可能。トランシーバーのような形の通信機は縦16・8センチ(アンテナ含む)、横5・9センチ、厚さ2・2センチ、重さは約170グラム(電池パック含む)。持ち運びしやすく、長時間使っても疲れないようコンパクトサイズを実現した。
専用の通信機「TLK100」
通信機内蔵のGPS機能を利用し、クラウドベースの管理システムでスタッフの所在地や移動状況をリアルタイムで把握。独自のアプリケーションソフトをダウンロードすればスマートフォンやタブレット端末で無線機と会話したり、SNSのようにスマホ同士で文字や映像などをやり取りしたりできる。
クラウドベースの管理システムでスタッフの現在地を地図上に表示
スマートフォンのアプリでサービスを利用可能
同社は物流や製造現場、建設現場、ホテル、空港、ビル管理、大型イベント会場などへの利用を想定。料金は月額で1回線当たり1800円。日本の発売初年度に1万回線の利用獲得を目指す。日本のユーザー第1号として、東京ステーションホテルが利用を決めたという。
東京都内のモトローラ・ソリューションズ日本法人オフィスで記者会見したモトローラ・ソリューションズ アジアパシフィック チャンネルセールスのロバート・マーシャル・バイスプレジデントは「われわれは日本で44年間事業を展開しており、イノベーションのレガシーがある。日本はアジア太平洋においても非常にクリティカルな市場と認識しているので米国に次いで2番目にスタートすることとした。米国以外では日本が最もお客さまの数が多いこともある」と新たな市場開拓に期待を表明。
同じくモトローラ・ソリューションズ アジアパシフィック コーポレートのマイク・デベンテ・バイスプレジデントは「米国で利用いただいている業界は日本で想定しているお客さまと類似性が高い。物流業も(ユーザーの)非常に大きなセグメントで、GPSを用いて現在地を把握できることなどが重視されている」と解説した。
会見するマーシャル氏
デベンテ氏
小林広高PCR事業本部長は「運輸・物流系がまず一番のターゲットとなる。それ以外の業界にも積極的にソリューションをご提案していきたい」と強調。将来は次世代通信規格の5Gへの対応も検討していく構えを見せた。
小林氏
(藤原秀行)