50年のカーボンニュートラル達成施策の一環
ブラザー工業は8月29日、生産子会社のブラザーインダストリーズ(フィリピン)(BIPH)が、DHLエクスプレスの物流サービス「GoGreen Plus」を通じて、DHLを利用する航空輸送に伴うCO2排出量を年間で30%削減する契約を締結したと発表した。
(左から)BIPH購買生産管理部運輸管理課・Heidi Trinidad副課長、購買生産管理部・志水亘部長、DHLエクスプレス・Nigel Lockettフィリピンカントリーマネージャー、Roderick Queppetコマーシャルバイスプレジデント(ブラザー工業提供)
GoGreen PlusはDHLが世界的に進めており、従来のジェット燃料を使用済み食用油や食品廃棄物などの原料から作り出す環境負荷の低い航空燃料「SAF」に置き換え、航空輸送に使用することで、輸送時の温室効果ガス排出量削減に貢献している。
ブラザーグループは環境目標「ブラザーグループ環境ビジョン 2050」の中で、2050年までにあらゆる事業活動のカーボンニュートラルとバリューチェーン全体のCO2排出最小化を実現することを目標に設定。50年に向けた中期目標として、30年度までに15年度実績比で、スコープ1と2は65%削減、スコープ3は30%削減することを掲げている。
BIPHは2012年に設立したブラザーグループの主力生産拠点の一つで、プリンター、複合機とラベルライターの本体および消耗品を生産し、世界中に出荷している。これまでにブラザーグループの生産拠点では最大級の面積となる太陽光パネルの設置や、製品への再生材の活用など、環境負荷を減らす様々な取り組みを進めている。
今後は部品の調達や製品の出荷時などの航空輸送にSAFを活用することで、CO2排出をさらに削減していきたい考え。
(藤原秀行)