全国にドローン離着陸設備配置、点検や災害時物資輸送などに10分で駆け付け

全国にドローン離着陸設備配置、点検や災害時物資輸送などに10分で駆け付け

KDDIグループが先進技術展示会で方針説明

KDDIグループでドローン関連事業を手掛けるKDDIスマートドローンの博野雅文社長は9月3日、KDDIが東京都内で開催した自社グループの先進技術に関する展示会「KDDI SUMMIT 2024」で、ドローンをインフラ点検や災害時の救援物資輸送などに活用していくため、全国にドローンを配置するとともにドローンポート(専用離着陸設備)も整備、日本中のどこでも10分で駆け付けられる体制を実現していきたいとの考えを表明した。

KDDIは今年5月、ドローン開発を手掛ける米国のSkydio(スカイディオ)と資本・業務提携した。博野氏はSkydio製で5G(高速通信規格)に対応し屋内や暗闇での自律飛行が可能なドローン「Skydio X10」をインフラ点検などに生かすことを想定していると説明。

ドローンポートを全国に置くことで「完全無人で(離着陸し)点検や監視などを実現できる。必要な時に必要な場所へドローンが駆け付け、必要なサービスを行うモデルを展開していきたい」と語った。提供するサービスとしては、平常時はパトロールや夜間警備などを手掛け、災害発生など有事の際は災害状況確認や捜索活動、物資輸送を迅速に行えるようにすることを提唱した。


博野氏

また、同じくKDDIが業務提携している米国のスペースXの衛星高速通信サービス「Starlink(スターリンク)」を使い、全国どの場所でも通信環境を整えることで各地を飛行可能エリアにし、安定したドローン飛行を後押しできると解説。ドローンポートの全国展開を通信面で確実にしていきたいとの姿勢を示した。


ドローンポートの構想

講演後に実施したパネルディスカッションには、博野氏と三井不動産の大間知俊彦ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長兼イノベーション推進室長が登壇、インプレスの河野大助ドローンジャーナル編集長が進行役を務めた。

大間知氏は三井不動産と日鉄興和不動産が東京都板橋区で共同開発している大型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」に、ドローンの研究開発区画として事業者に提供、技術開発や社会実装を後押しする「板橋ドローンフィールド(DF)」を設けることに関連し「関係する人々が集まり、そこに行けば情報を得られるようなドローンのコミュニティーを作りたい」と狙いを説明した。

博野氏は板橋DFに、「KDDIスマートドローンアカデミー東京板橋校」を開校する方針を発表、物流などへのドローン投入を加速させていきたいとの思いを語った。


大間知氏


パネルディスカッションの様子。左はインプレス・河野氏

(藤原秀行)

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