かごの位置を自由に固定、狭い通路でも回転可能に
NIPPON EXPRESSホールディングス（NXHD）傘下の日本通運は9月9日、WHILLと共同で開発を進めていた「倉庫作業専用モビリティ」の試作機が完成したと発表した。特許出願中で、取得後は両社が共同で権利を所有する予定。
（プレスリリースより引用）
日通は先進的なロジスティクスロボットや作業補助機器の導入と職場環境の整備を通じて、これまで倉庫で働くことが困難だった人々の障壁を取り除くことを目指す「誰にもやさしい倉庫 (NX Universal Harmonious Work Warehouse)」プロジェクトをスタート。その第1弾として、倉庫内における移動の負担を軽減し、歩行が困難な人を含め誰もが倉庫作業に従事できるよう、WHILLが既に一般向けに日々の移動手段として国内外で展開している近距離モビリティ「WHILL Model C2」を試験導入した。
Model C2でピッキング作業を行う際はピッキングした商品を入れるかごを片手で押さえながら、もう片方の手で機体のコントローラーを動かす必要があり、作業者への操作負担や作業効率向上の面で課題を抱えていた。解決のため、日通とWHILLがタッグを組み、「倉庫作業専用モビリティ」の開発に着手していた。
「倉庫作業専用モビリティ」の導入により、作業者の身体的負担をより一層軽減し、現場の作業効率向上を図りたい考え。
作業しやすい位置へ自由にかごを移して固定したり、高い棚にアクセスできるよう座面を昇降させたりできる上、狭い通路でも回転できるよう回転半径を450mmに抑えている。
長時間の倉庫作業による身体的負担を減らし、直感的な操作性と乗り心地の良さで、快適な作業環境を実現できると見込む。WHILLのノウハウで導入する環境に応じた柔軟なカスタマイズに対応する。
今後、「倉庫作業専用モビリティ」の試作機は日通の倉庫で実際に使用し、得た知見を活かしながらWHILLと共に製品化を進め、量産化を目指す。今後、日本国内に加えて海外市場にも展開していく予定。工場や商業施設、レジャー施設などへの応用も見込んでいる。
「国際物流総合展 2024」の日通ブースと、9月18日に開幕する「Japan Robot Week 2024」のWHILLブースでそれぞれ展示する。
（藤原秀行）
