Hacobuが大手荷主125社対象に調査実施、改正2法の理解はまだ深まらず
Hacobuは9月11日、政府が今年の通常国会で成立した物流関連の改正2法に基づき、一定規模以上の荷主企業に配置を義務付ける予定のCLO(物流統括管理者、最高物流責任者)の実態に関する調査結果を公表した。
従業員1000人以上の大手荷主企業(物流子会社含む)125社・146人を対象に、CLOの設置状況や物流効率化に向けた取り組みを尋ねた。
その結果、回答者の約4割が物流関連2法の内容をきちんと把握していないことが判明。一方でCLOについては過半数が担う役割を理解していると答えていることが分かった。CLOの存在については認知度が急速に高まっていることをうかがわせた。
改正関連2法について、「詳しく内容を理解している」と「概要は知っている」を合わせると約6割に到達。一方、「名称を聞いたことがある程度」が30.1%、「全く知らない」が8.9%に上り、法律の目的や意義について理解がまだ深まっていないことを示唆した。
改正関連2法で求められる取り組みへの対応をそれぞれ聞いた結果、対応済み・推進中の割合が最も多かったのは「荷待ち・荷役時間の把握(68.5%)」だった。「CLOの設置」は対応済みと答えた人が2割弱にとどまったものの、推進中・検討中を合わせると7割を超えており、今後急ピッチで設置が進むことを予感させた。
CLOについては、8割超が名前を聞いたことがあると回答しているほか、過半数が役割を理解していると認めた。
CLOが直面する課題で最も大きなものが何かを尋ねたところ(3つまで選択可)、トップは「長期ビジョンおよび計画の策定」(43.8%)だった。続いて「社内の営業・調達など他部門との連携・調整・支援」(42.5%)、「人材の育成、確保」(39.7%」などと続いた。
CLO設置で特にどのような効果を期待するかに関しては、「部門を超えた物流最適の実現」が50.0%で首位。「コスト削減、業務効率化の向上」(41.1%)、「物流DXリーダーの育成と確保」(26.7%)なども多かった。
調査名:CLO設置の状況や物流DXの取り組み状況に関する調査
調査主体:Hacobu
調査期間:2024年7月31日〜8月15日
調査方法:インターネット
調査対象:従業員数1000人以上規模の荷主企業(物流子会社を含む)に対し、Hacobuのニュースレター登録者を中心に告知
有効回答数:146人
有効回答社数:125社(旭化成、オムロン、クボタ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー、シオノギファーマ、敷島製パン、J-オイルミルズ、JFEエンジニアリング、昭和産業、大和ハウス工業、デンソー、東芝、TOTO、日産自動車、日水物流、日本触媒、日本トイザらス、日本製紙、パナソニック、日野自動車、ファミリーマート、フジッコ、本田技研工業、三井物産スチール、Mizkan、三菱食品、三菱倉庫、三菱重工業、森永乳業、ヤンマー、吉野家ホールディングス、LIXIL、ローソン 他)
(藤原秀行)※いずれもHacobu提供