輸送時の温室効果ガス排出削減見込む
化学用精密ポンプ大手の日機装は9月24日、グループの米Clean Energy & Industrial Gases(クリーン・エナジー・アンド・インダストリアル・ガシーズ、CE&IG)が、LNG(液化天然ガス)燃料船向け再液化システムに関し、フランスのエンジニアリング会社GTTと提携したと発表した。
CE&IGグループのLNG燃料船向け高圧供給システムにGTTの特許技術「Recycoolシステム」を組み込み、燃料船の輸送効率改善と温室効果ガス排出量削減につなげられると見込む。
CE&IGグループとGTTはまずLNG燃料船10隻分を受注した。
提携した関係者(日機装提供)
GTTは燃料タンクが箱形のメンブレン型LNG船に強みを持つ、タンクエンジニアリング会社。Recycoolは燃料タンクのLNGが気化して発生するボイルオフガス(BOG)を冷却して再液化することで、LNGの不要な排出を抑えて温室効果ガス排出量削減を図る。
CE&IGグループは、LNGを燃料タンクからエンジンへ供給するためのポンプなどを組み合わせた燃料高圧供給システムを設計/製造/販売しており、今回のシステムで得られる冷熱をRecycoolの冷却に利用し、再液化システムの運用を効率化することを想定している。
Recycoolは2023年3月、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から、この種のシステムとしては世界初の基本設計承認(AiP)を取得済み。
(藤原秀行)