成田空港施設の機能強化へ官民検討会が議論開始

成田空港施設の機能強化へ官民検討会が議論開始

国交省開催、人手不足受け自動化・生産性向上可能な整備求める声も

国土交通省は9月24日、「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」の初会合を開催した。

成田空港を運営する成田国際空港株式会社(NAA)が今年7月、「新しい成田空港」構想を公表。この中でインバウンド(訪日客)増加などを受けて、旅客と貨物の両方の機能強化を図り、「東アジアの貨物ハブ空港」などの役割を担い、同空港全体の国際競争力を高めていくよう提言しているのを踏まえ、政府として民間事業者らと連携し、具体的にどのように関連設備を導入していくかなどについて議論を開始した。

検討会は学識経験者のほか、NAAや航空会社、地元の千葉県、鉄道会社の幹部らで構成。初会合は旅客・貨物取扱施設を対象に絞り、意見交換した。

国交省からは、貨物領域に関し、今後成田空港の滑走路増設で発着容量数が年間50万回まで増強されることを踏まえると、貨物量は年間300万まで膨れ上がると見込まれると説明。こうした状況を前提とした貨物施設整備が求められると指摘した。

その上で「取扱容量に加え、貨物需要を惹きつける質を備えることが必要」と強調。現場の人手不足を考慮し、業務の自動化・効率化に資する施設整備が不可欠との見解を示した。また、国際貨物のトランジット貨物の取り込みを図るための施設整備も重要との見方を表明した。

出席した航空会社関係者からも、貨物の取扱現場の人手不足を受け、効率化・生産性向上が可能な施設整備を要望する声が出た。

次回は成田空港への鉄道・道路によるアクセス向上について、鉄道会社の幹部らが参加して意見を交わす予定。国交省は、今後数回検討会を開催して議論しながら、意見の集約を図る見通し。

(藤原秀行)

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