全国の病院などから回収、年間3.3万l見込む
医療法人徳洲会や一般社団法人徳洲会などで組織する国内最大の民間医療グループ、徳洲会グループと日揮ホールディングス(HD)、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの4者は9月26日、使用済み食用油を国産の環境負荷が低い持続可能な航空燃料「SAF」などに再利用する取り組みを連携して進めると発表した。
同日付で基本合意書を締結した。
徳洲会グループが運営する全国約140の病院・老健・特養などの給食施設から出る廃食用油をSAFの原料として提供する。回収量は年間3万3000lを見込む。病院からの廃食用油の回収は2025年10月から順次開始する予定。
日揮HDなど3社が進めている使用済み食用油をSAFに使う取り組みに全国で医療・介護・福祉事業を展開する医療グループが参加するのは初めて。
徳洲会グループはSAFで航空機が飛ぶ世界を実現するプロジェクト「Fry to Fly Project」に参画し、各病院・施設で周知するなど協力していく予定。
調印式に参加した(左から)SAFFAIRE SKY ENERGYの西村勇毅COO(最高執行責任者)、レボインターナショナルの越川哲也代表取締役、徳洲会グループの東上震一理事長、日揮HDの秋鹿正敬専務執行役員
鶏のジューシーから揚げ献立(出典:『毎日のごはんが健康をつくる 徳洲会おすすめのバランスレシピ』飛鳥新社刊)
廃食用油引き取りの様子
日揮HDとレボインターナショナルは、コスモ石油と共同で国内の廃食用油収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化を検討、2022年に新会社「SAFFAIRE SKY ENERGY」を立ち上げ、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万klのSAF供給を目指している。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の採択を受けた助成事業として展開している。
大阪府堺市で建設中のSAF製造工場の様子(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)