伊藤忠系新電力のアイ・グリッド、配送EVトラックの効率運行と施設のエネルギーマネジメント並立目指す実証運用へ

伊藤忠系新電力のアイ・グリッド、配送EVトラックの効率運行と施設のエネルギーマネジメント並立目指す実証運用へ

伊藤忠やいすゞと連携、最適な充電実現図る

伊藤忠商事系の新電力、アイ・グリッド・ソリューションズは9月30日、伊藤園、いすゞ自動車の両社と連携し、伊藤園の浅草支店(東京都台東区)でEV(電気自動車)ルートセールスと施設エネルギーマネジメントを両立させるための効果測定・評価を行う実証運用を10月に始めると発表した。

伊藤園浅草支店でいすゞのEVトラック「エルフEV」を導入し、商用車の運行管理や車両の稼働サポートサービスを提供するいすゞの商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」の充電計画の立案と、充電計画に基づく充電制御機能に施設の電力使用量の実績・予測を行うアイ・グリッドのエネルギーマネジメントプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform(リアル ニューエナジープラットフォーム」を連携させ、配送EVの運行計画と施設デマンドを考慮した充電計画の立案、同計画に基づく充電制御機能が円滑に作動するかどうかを見極める。

《配送EVと施設のエネルギーマネジメントのスキーム》
【概要】
・実施期間:2024年10月~2025年9月
・実施内容:
配送計画と施設デマンド超過抑制を考慮した充電計画の立案支援機能および充電計画に基づく充電制御
  -電力測定機による施設の電力使用量計測、モニターおよび予測
  -電力使用量の予測に基づく、施設デマンド超過抑制を考慮した充電計画の策定
  -充電計画に基づく、遠隔での充電制御


EV充電と施設電力使用量を連携させているR.E.A.L. New Energy Platformの基盤

EV普及の課題の一つとなっている充電コストとしての電気料金は、基本料金と電力使用量および再エネ賦課金で構成され、特に基本料金は年間で電力の使用量が最も多い時間帯(ピーク)で決定する。そのため、EVを導入した際に計画を行わずに充電を行うことで、従来のピーク値を越え、基本料金に影響を及ぼす可能性がある。

アイ・グリッドは今回のシステムを導入することで施設デマンドに基づくピークシフトによる充電運用が行えるとみている。

今回の実証で、EVトラックの配送と施設エネマネの両立方法について実用レベルにあるかどうか評価し、今後のEVトラックの充電と施設エネマネの統合的かつ効率的な管理を実現させていきたい考え。EVトラックの業務利用と施設エネマネを両立させる仕組みを実装し、物流領域の脱炭素目標達成を後押しする。

(藤原秀行)※いずれもアイ・グリッド・ソリューションズ提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事