数理最適化を複雑な業務内で適切に活用
ZOZOは9月14日、ZOZO NEXTの研究開発組織「ZOZO研究所」が研究を手掛けた「物流倉庫拡張後の拠点間輸送を最小化する在庫配置」が、問題解決の最適解を導き出す学問「オペレーションズ・リサーチ(OR)」に関するオペレーションズ・リサーチ学会で第42回事例研究賞を受賞したと発表した。
(ZOZO提供)
今回の研究は当所リードの千代竜佑氏が2020年3〜6月ごろに実施したZOZO内のプロジェクトに関し、21年9月に同学会の秋季研究発表会内で開催された企業事例交流会で発表した。
ZOZOグループの4カ所目の物流倉庫「ZOZOBASEつくば2」の稼働開始に向け、出店ショップの在庫納入先を稼働中の倉庫から新倉庫に変更し、充填率の平準化で拠点間輸送を最小化する在庫配置を実現するための課題を数理最適化としてモデル化。実務での意思決定に活用した。
事例研究賞は、ORの優れた事例研究に対して贈られる。今回の研究はZOZOの物流拠点新設に際し、高度な技術を用いなくてもインパクトの大きな意思決定にORを活用できることが分かる事例。運用面における工夫も評価され、数理最適化を複雑な業務全体の中の適切な部分で活用することの重要性が多くの実務家の参考となる事例研究として選ばれたという。
(オペレーションズ・リサーチ学会2021秋季研究発表会アブストラクト集)
URL:https://orsj.org/nc2021f/wp-content/uploads/sites/2/2021/09/2021f-1-E-7.pdf
(藤原秀行)