JDSC、三井物産系の東洋船舶とAI大規模言語モデル活用した海事領域の業務効率化支援ソリューション開発

JDSC、三井物産系の東洋船舶とAI大規模言語モデル活用した海事領域の業務効率化支援ソリューション開発

専門性高い問い合わせにも迅速対応可能見込む

JDSCは9月30日、三井物産グループで船舶の用船仲介などを手掛ける東洋船舶(東京都千代田区大手町)と共同で、大規模言語モデル(膨大なテキストデータを処理することで、人間の言語を理解・生成できるAIシステム、LLM)を活用して海事領域の業務効率化と調査・確認作業の負荷削減を実現する新たなソリューション「AI番頭」を開発したと発表した。

東洋船舶が10月1日にサービスの提供を始める。


ソリューションのロゴマーク

AI番頭は米国でAI開発を担うスタートアップのAnthropic(アンソロビック)が提供する生成AIサービス「Claude(クラウド)」を利用し、インターネットを介して顧客が入力した問い合わせ内容に対して、海事産業特有の各種契約書や技術情報、規則情報、FAQ、メールなどの膨大なドキュメントを横断的に調査、回答する。

従業者の問い合わせ対応時間を大幅に削減し、専門知識や経験に依存せず一貫した結果をが得られるようになると見込む。

AI番頭は船舶運航管理上で生じる多種多様な課題を、社内に蓄積した各種書類やメールをベースに、外部ソースから取得した情報を用いて、生成AIモデルの精度と信頼性を向上させる技術RAGを使って調査し、LLMが要約、回答、メールドラフト作成などの機能を提供する。

これまで高度な知識を有する経験者でなければ回答できなかった専門性の高い内容や多言語による対応にも、経験の浅い社員がカバーすることが可能になると想定。業務量の平準化と人材活用の幅拡大、後継者への業務手法の引き継ぎ、知識継承といった業務環境の改善に寄与するとみている。


操作画面イメージ


LLM処理イメージ(いずれもJDSC提供)

JDSCは、LLMを活用した問い合わせ工数の削減、業務効率化は他業界の課題解決にも有効と考え、今後はAI番頭を基にしたLLMソリューションの普及・拡大に注力するとともに、蓄積したデータサイエンスの知見を基に、AIや機械学習、数理最適化などの先端技術を社会実装することで、個社にとどまらず産業全体の課題解決に取り組み、日本のアップグレードに貢献していくことを目指す。

(藤原秀行)※いずれもJDSC提供

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