集配などの通常業務中に事前予約で実施
北海道上士幌町は10月1日、国土交通省が実施する「令和6年度(2024年度)共創・MaaS実証プロジェクト」で、日本郵便と連携して同日、公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)を活用した貨客混載の実装運航を同日始めたと発表した。
上士幌町は「⾼齢者・免許返納者をはじめ、町⺠全員が安⼼して暮らし続けられる公共交通網の構築」を地域公共交通計画の課題の1つに位置付け、農村福祉バスのデマンド化や自動運転バスの導入実証などを進めている。
その一環として、同事業では日本郵便の協力を得て、郵便局のドライバーと車両を活用した貨客混載実証に踏み切った。上士幌町が抱える地域課題を解決するとともに、過疎地における移動課題の解決に資する全国に横展開可能なモデルを構築することを目指す。
期間は11月29日までの毎週実施。料金は片道1000円と設定している。
郵便局は、郵便ポストの郵便物取集や集配などの通常業務で稼働している車両・人員を活用し、普段の業務を続けながら、住民を輸送する。利用者は高齢者等福祉バスで普段使用している町が貸与するタブレットから予約する。利用者の予約時間によっては、貨客混載ではない運行になる場合がある見通し。
●公共ライドシェアの概要
運行期間:10月1日~11月29日
運行日:火曜、木曜、金曜
(町の「高齢者等福祉バス 居辺線」が運行していない曜日に本実証走行を実施)
利用対象者:上士幌町居辺地域に住む高齢者
乗車定員:1名(乗務員除く)
運行時間:9:30~15:30の間、1時間間隔で運行予約を受け付ける。予約は希望する日の1週間前までに行う。
運行方式:事前予約制
料金:片道1,000円(農村部~市街地)
高齢者等福祉バスのシステムを改装した公共ライドシェアの予約画面
(藤原秀行)※いずれも上士幌町提供