【現地取材・動画】仏シュナイダー、製造業や物流など向けピッキングロボットを12月に日本市場投入へ

【現地取材・動画】仏シュナイダー、製造業や物流など向けピッキングロボットを12月に日本市場投入へ

デモ公開、次世代搬送システムもお披露目

エネルギーマネジメントや生産現場の自動化支援などを手掛けるフランスのシュナイダーエレクトリックは10月10日、ピッキング作業用ロボット「Lexium(レクシウム)デルタロボット」を今年12月23日に日本で販売を開始すると発表した。製造業や物流業のピッキング作業省人化のニーズに対応する。

同社の日本法人は10月10日、同社製品を採用している自動包装機などのメーカー、オリオン機械工業(神奈川県相模原市)の本社内で、デルタロボットのデモを公開した。


公開したデルタロボット。最大可搬重量15kgのタイプ

デルタロボットは既に海外市場で展開している。コンベアなど搬送ラインを流れる部品や部材を自動でつかみ、指定した場所に運ぶ。2軸で動作するタイプの「Tシリーズ」と3~5軸で動くタイプの「Pシリーズ」の2種類があり、Tシリーズは可搬重量が最大60kg、Pシリーズは15kgにそれぞれ対応する。

ロボットアームの素材として使われることが多いカーボンに代わり、折れにくく水に強いステンレスを採用。万が一ロボットが何かにぶつかっても破損して繊維が飛散するリスクを回避できるようにしているほか、本体を丸洗いして洗浄することを可能にするなど、衛生管理の基準が厳しい飲食品製造現場で導入しやすくしている。

また、同社独自のコントローラーを活用することで、複数のロボットや搬送システムなどを効率的かつ安全に制御できる。


Pシリーズ(左)とTシリーズ(シュナイダーエレクトリック提供)

日本法人は併せて、オリオン機械工業の工場内で、複数のキャリア(パレット)をリニアモーターで動かし、製品を運ぶ次世代搬送システム「Lexium MC12マルチキャリア」もお披露目した。

電磁石を内蔵しているレールの上を永久磁石付きのキャリア(搬送役)が走る仕組みで、レールは形を自由に変えられる。コンベアと異なり始点と終点を設ける必要がなく楕円のループにできることなどから、コンベアを設置するよりもスペースを効率的に使えるのが特徴。垂直に立てて使うことも可能で、その際のシステム自体の発熱は少なく、連続して高速運転できる。

オリオン機械工業の現場では、大人用おむつメーカー向けに、製造ラインから流れてくるおむつを一定数ごとにまとめて包装機まで搬送する部分にMC12マルチキャリアを採用、実用化を図っている。他のメーカー向けに、MC12マルチキャリアを使った搬送システムを納入した実績があるという。

シュナイダーエレクトリックの日本法人は、構内物流の効率化にもつなげられると想定している。


MC12マルチキャリアのキャリア部分


縦方向にレールを置けるため、活用シーンが広がる


デジタルツイン技術で動作を精緻にシミュレーションできる

(藤原秀行)※MC12マルチキャリアの動画はシュナイダーエレクトリック提供

※修正2024.10.11 8:09

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