三菱地所が物流施設開発で海外進出、第1弾はベトナム

三菱地所が物流施設開発で海外進出、第1弾はベトナム

増大する物流ニーズに対応

三菱地所は10月18日、自社開発の物流施設「ロジクロス」で初めて海外に進出すると発表した。

第1弾として、ベトナム・ホーチミン近郊のロンアン省で大規模物流施設「Logicross Nam Thuan(ロジクロス ナム トゥアン)」(敷地面積約11.5ha、延床面積約6.4ha)を、北部ハイフォン市で「Logicross Hai Phong(ロジクロス ハイ フォン)」(敷地面積約15.1ha、延床面積約8.8ha)を開発する。

「Logicross Nam Thuan」は今年10月着工、2025年6月ごろの竣工を予定しており、「Logicross Hai Phong」は今年11月着工、2025年8月ごろの竣工を見込む。

両物件の総事業費は約135億円の予定。

ベトナムは経済成長が著しく、急速な工業化を背景に物流・配送需要が大幅に増加、高機能な物流施設に対するニーズが高まっている。両物件は「ロジクロス」が開発コンセプトに掲げている”安全性””快適性””機能性””柔軟性”の4つの側面からユーザーエクスペリエンスの向上を企図し、共用部や休憩室にバイオフィリックデザインを導入するほか、環境認証も取得する予定。

「Logicross Nam Thuan」はベトナム最大の商業都市ホーチミンへ車で50分。近年、ロンアン省では行政バックアップもあり外資系製造業の工場誘致や移転集約が進み、今後のベトナムの工業化、経済成長に伴う消費拡大、eコマース化の伸展などを受けて、物流ニーズ増大が期待されている。

最小約3000㎡から分割可能な平屋建てマルチテナント型物流施設を3棟供給する。このうち1棟は両面バース(荷捌き場)を採用し、クロスドッキングなどの物流オペレーションを必要とする事業者ニーズにも則した設計とする。

非常用発電機を設置しており、災害・停電時のテナント企業の事業継続もサポートする。さらに、全館LED照明や節水器具の導入、エネルギー効率の最適化など環境に配慮した計画を取り入れ、米国グリーンビルディング協会環境認証LEED BD+C Certified認証を取得する計画。

【計画概要】
所在地:Plot W, Nam Thuan Industrial Park, Duc Hoa, Long An Province, Vietnam
事業シェア:三菱地所100%
敷地面積:115,390㎡
延床面積:約64,500㎡
構造:鉄筋コンクリート造+鉄骨造(屋根)
用途:マルチテナント型物流施設
設計施工:鹿島ベトナム
設計アドバイザリー:三菱地所設計
着工:2024年10月
竣工:2025年6月(予定)

【立地図】

「Logicross Hai Phong」は北部最大の国際貿易拠点、ハイフォン港エリアの物流適地で開発する。日本・韓国・中国・台湾・米国などの外資系製造業の投資が進み、大規模な工業団地を多数有する「ディンブー・カットハイ経済区」の中心に位置し、主要高速道路インフラの整備により、北部最大の消費地・ハノイや中国国境へも陸路での良好なアクセス性を有しているとみている。

2棟構成で、高付加価値なオペレーション構築に寄与する高床式バースを採用。内部には人感センサー付きLED照明や節水器具も導入し、エネルギー効率の最適化をする設計で「EDGE認証」のEDGE Advancedを取得する予定。

【計画概要】
所在地:Land Lot CN14 , Nam Dinh Vu Non-tariff and Industrial Park (zone 1) within Dinh Vu – Cat Hai Economic Zone, Dong Hai 2 Ward, Hai An District, Haiphong City,Vietnam
事業シェア:三菱地所100%
敷地面積:150,968㎡
延床面積:約88,300㎡
構造:鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造)
用途:マルチテナント型物流施設
設計施工:フジタベトナム
着工:2024年11月(予定)
竣工:2025年8月(予定)

【立地図】

(藤原秀行)※いずれも三菱地所提供

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