貨物船甲板や港湾施設での発電実現に期待
商船三井系のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、MOL PLUSは11月11日、薄型で曲がる「ペロブスカイト太陽電池」と関連材料の開発・製造・販売などを手掛けるスタートアップのエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)に出資することを決めたと発表した。具体的な出資額は開示していない。
エネコートは京都大学化学研究所の若宮淳志教授らの研究成果を生かし、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指している。現在主流となっている太陽電池と比べ、「屋内のような低照度環境下での高い発電効率」や「柔軟性」、「軽量」といったメリットがあり、既存の太陽光パネルが設置困難な建物壁面や支柱、耐荷重の弱い倉庫の屋根などで発電できるようになると期待されている。
MOL PLUSはペロブスカイト太陽電池の普及により、屋内外問わずどこでも自由自在に発電が可能となる画期的なソリューションが確立されると判断。今後は商船三井グループの貨物船デッキ(甲板)部分や、港湾施設(倉庫・ターミナル荷役設備)の屋根・壁面への搭載など、港湾/物流/不動産分野の幅広いシーンで活用が実現することを期待している。
ペロブスカイト太陽電池
様々な分野への導入が可能と見込まれる(いずれもMOL PLUS提供)
(藤原秀行)