他の企業や研究機関と連携、脱炭素へ水素活用も促進
川崎重工業は11月6日、東京の羽田空港に近接している大型複合施設「Haneda Innovation City」(羽田イノベーションシティ)内に、研究開発拠点「CO-CREATION PARK-KAWARUBA」(コ・クリエーション・パーク・カワルバ)を開いた。
社会の脱炭素促進や人手不足といった課題解決を後押しするため、他の企業や研究機関、地方自治体と連携しながら水素の活用、自律的な動きをして運搬や接客などの役割を担うソーシャルロボットの実用化に取り組む。
サービスロボット「Nyokkeey」がお出迎え
カワルバは「さまざまな社会課題解決に向け、意思ある多様な人々が出会い、集うことで価値創造し、社会実装をやり遂げる」をコンセプトに設定。羽田イノベーションシティ内の2フロアを利用し、研究スペースや会議室、カフェなどを設置しており、関係者が集まって自由に意見交換したり、技術を発表したりできるようにしている。
メディアなどに内部を公開したこの日は、2本の腕を持ち、料理店の配膳・下膳や建物内の清掃サポートなど多様な用途を想定している川崎重工製の自律走行型サービスロボット「Nyokkeey(ニョッキー)」が来所者を案内。
併せて、同じく川崎重工製で病院などの屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」なども登場した。川崎重工は、単に個々のロボットを導入するだけでなく、制御ソフトを駆使し、エリア内で複数のサービスロボットを効率的に運用できるようにする人とロボット、インフラのオーケストレーションを目指す考えを表明した。
さらに、人と同じように動くことが可能な、開発中のロボットも公開した。併せて、水素燃料を活用するバイクなども展示している。
展示しているFORROなどのサービスロボット
開発中のロボット
水素燃料を活用するバイク
同日、現地で開催したオープニングセレモニーで、川崎重工の橋本康彦社長は「われわれが特にこだわっている水素とロボットで、カーボンニュートラルや労働力不足などに対応していくため、社会実装のための取り組みや情報発信を進めていきたい」と強調した。
オープニングセレモニー
(藤原秀行)