第1期政権で日本などとの貿易交渉担当
米国のドナルド・トランプ次期米大統領は11月27日、SNS「truth social」の自身のアカウントで声明を発表し、通商・関税政策を担う米通商代表部(USTR)代表に、弁護士で元USTR首席補佐官のジェミソン・グリア氏を起用する方針を示した。
グリア氏は第1期トランプ政権で、当時のロバート・ライトハイザーUSTR代表の側近として、日本や中国などとの貿易交渉に当たったほか、カナダやメキシコと3カ国間で新たな貿易協定を結ぶ交渉の実務も担った。
米メディアなどによれば、対中強硬派として知られる一方、日本の政府関係者とは貿易交渉を通じて関係があるという。
トランプ氏はSNSで「グリア氏はUSTRを、わが国の巨額の貿易赤字抑制や製造業、農業、サービス業の保護、輸出市場の開拓に、重点的に取り組ませるだろう」と期待感を明らかにした。
トランプ氏は11月26日、中国からの輸入品に追加で10%の関税を設定する方針を表明しており、グリア氏はトランプ氏の意向を踏まえて中国への強硬姿勢を堅持するとみられる。
トランプ氏は併せて、ホワイトハウスで経済政策のかじ取り役を務める国家経済会議(NEC)の委員長に、経済学者のケビン・ハセット氏を起用することも公表した。ハセット氏は第1期トランプ政権で、経済諮問委員会の委員長として、トランプ氏がこだわる大型減税の導入に尽力した。
(藤原秀行)