オムロンフィールドエンジニアリングと連携
NIPPON EXPRESSホールディングス傘下の日本通運と、オムロングループで各種自動化設備などを手掛けるオムロンフィールドエンジニアリングは11月29日、日通が静岡県浜松市に構えている物流拠点「浜松物流センター」で、DX推進協業プロジェクトとして省人化・自動化設備の本稼働を開始したと発表した。
入庫検品にオムロン製のAI学習機能を搭載したAI画像認証カメラ、保管に電動パレットラック、保管と荷役機能を備える自動倉庫システムを導入し、各設備を日通の倉庫運用管理システムと送り状発行システムに連携させた。
入庫から出庫まで誰でも簡単に作業を行える環境を整備し、生産性の向上と省人化・省力化、作業者の教育時間短縮を実現。入庫から出庫までのリードタイムは50%削減しているという。
2023年11月に稼働を開始した浜松物流センターは、高度なセキュリティエリアを備え、厳重な管理が求められる電子機器の保管・検品をはじめ、キッティング作業や流通加工を行えるようにしている。
日通は倉庫のメーンユーザーのオムロンフィールドエンジニアリングと22年10月にDX推進協業プロジェクトを開始。倉庫の自動化・省人化に取り組んできた。実証実験や機能開発を重ね、省人化・自動化設備の本格稼働に踏み切った。
取引先ごと・機械ごとの処理手順の違いから、作業者の目視確認や手入力に頼っていた入庫時の検品作業を、オムロンフィールドエンジニアリングが導入したAI学習機能を備えたカメラ画像検品機に切り替えることで自動化し、帳票のペーパーレス化と入力作業の効率化を果たした。
さらに、電動式のロータリーラック・パレットラックやハンディ端末などの設備とのシステム連携により、出荷時の人による判断・作業の仕分け工程を自動化し、検品後の入出庫作業での省力化も達成した。
カメラ画像検品導入による目視確認・手入力などの自動化とシステム連携(オムロンフィールドエンジニアリング プレスリリースより引用)
センター内には太陽光発電設備を備え、生み出した電気を各設備に使用することで、環境負荷軽減にも貢献できると見込む。
作業リードタイムの短縮により浜松物流センター内に加え、全国的な在庫配置を最適化することを目指す。
(藤原秀行)