ワンストップ購買プラットフォームに期待
三菱UFJキャピタルは12月9日、同社が運営している投資ファンド「三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合」を通じ、ベトナムで事業者向け食材のECを展開しているKAMEREO INTERNATIONAL (カメレオインターナショナル)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
現在のベトナムには日本の農協のような仕組みが存在せず、生産者から飲食店・小売店までのフードサプライチェーンに複数の仲介業者が介在する非効率な多層構造となっている。
カメレオはテクノロジーと自社物流網を駆使し、生産者と飲食店・小売店をつなぐプラットフォームを構築。飲食店および小売店からの購買需要を集約し、農家や生産者から直接購買することで、より安価かつ安定した品質の商品提供を実現しようと取り組んでいる。
煩雑な数多くのサプライヤーとのやり取りを無くし、シェフや経営者が料理や接客など、よりクリエイティブな仕事に集中できるよう飲食・小売店向けワンストップ購買プラットフォームを構築することを想定している。
三菱UFJキャピタルは2023年に人口1億人を突破し、経済成長が進む一方で食品流通網には効率化の余地があるベトナムに着目。価格・品質・納期の安定した流通を実現するため、サプライチェーンの川上から川下までを垂直統合型で手掛ける難易度の高いオペレーションを構築しながら事業を成長させてきたカメレオの将来性と、新型コロナウイルス禍といった困難を乗り越え異国の地で事業を率いてきたバイタリティ溢れる田中卓CEO(最高経営責任者)に期待し、出資に踏み切った。
(藤原秀行)※いずれも三菱UFJキャピタル提供