企業は成し遂げたい目的明示し行動する「パーパス・ドリブン型」に転じ、消費者の共感獲得を

企業は成し遂げたい目的明示し行動する「パーパス・ドリブン型」に転じ、消費者の共感獲得を

アクセンチュアがグローバル調査結果から推察

アクセンチュアは6月3日、東京都内で2018年のグローバル消費者調査結果に関する記者発表会を開催した。

日本を含む先進国では2~4割が情報を探索しないまま製品やサービスを購入しており、「無関心化」の傾向が続いていると分析。一方で企業が社会的な課題に態度を明確に表明するよう期待する向きが多く、その言動に失望した場合は購入を取りやめるなどの否定的なアクションを起こしていることが分かった。

また、消費者は企業が示す「ビジョン」を重視する傾向が見られた。同社は一連の調査結果を踏まえ、自社が成し遂げたい目的(パーパス)を鮮明に打ち出して行動する「パーパス・ドリブン(駆動)」型になっていくことが、企業が無関心化する消費者の共感を得る上で重要と推察した。

調査は05年から毎年実施しており、18年は日本を含めた世界35カ国の2万9530人が回答。うち日本は1460人だった。

「社会的問題に関する企業の言動に失望」、若い世代の割合高く

「製品・サービスの購入時、どの程度の頻度で情報収集をするか」との問いに対し、「しない」「ほとんどしない」と答えた割合が日本は35%で前年から2ポイント下がったが、依然3割台をキープ。ドイツは43%、米国とフランスが29%、英国が24%だった。インド(10%)や中国(18%)、インドネシア(18%)と差が開いた。

アクセンチュアは「先進諸国は昨年とほぼ同様の結果であり、無関心化のトレンドは依然継続している」との見方を示した。

半面、「企業には重要な社会的問題に対して態度を明確にしてほしいか」との設問に対し、「常にしてほしい」「時にはしてほしい」と回答したのがグローバルで74%、18~24歳は80%に達した。日本でも全世代が70%、18~24歳は81%でグローバルと似た傾向を示しており、若い人ほど態度の明確化を望む割合が高いことが浮き彫りになった。

「過去2年で社会的問題に関する企業の言動に失望したことはあるか」の設問では、「何度もあった」「一度のみあった」の合計がグローバルの全世代で53%、18~24歳は68%となった。日本は前者が28%、後者が40%。

失望した場合の対応を尋ねたところ。「製品・サービスの購入をやめた」がグローバルの全世代で47%、18~24歳で58%。日本は前者が31%、後者が40%となった。

「価格・品質以上にどのような要素を重要視するか」との問い掛けには、グローバルは「企業が示すビジョン(経営者や従業員の言動・信念)」が39%で、「企業が持つ行動指針(迅速性、道徳性など)」の35%、「企業から得られる印象」の25%を上回った。

日本に関しては「ビジョン」が52%で、「行動指針」の29%、「印象」の20%を大きく超え、グローバルより企業のビジョン重視の姿勢が強いことがうかがえた。

アクセンチュアは「企業はビジョンの中で自社が成し遂げたいパーパスを打ち出し、消費者の共感を得ることが無関心化する消費者攻略の鍵になる」と分析している。

企業価値をより大きく成長させている傾向

記者発表会でアクセンチュア戦略コンサルティング本部顧客戦略グループの石川雅崇アジア・パシフィック統括マネジング・ディレクターは「社会課題解決を志向した経営を実践しているパーパス・ドリブン企業は、それ以外の企業と比較しても自社の企業価値を大きく成長させている」と指摘。

「先進国ではどのブランドを購入してもある程度満足が得られるため、ブランドへのロイヤリティーが低下している。一方で社会的、文化的、環境的な問題に対し、企業がその解決のためどう活動しているかへの関心が高まっている」との見解を示し、日本企業にも行動を促している。

記者発表会ではその一例として、「サステナビリティ―を暮らしの“当たり前”に」とのパーパスを設定してビジネスモデルを変革したユニリーバ、「患者さんの明日のために私たちが今日すべきことがある」とのパーパスを鮮明に打ち出したロシュなどのケースを取り上げた。

(藤原秀行)

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