協業開始から1年余りで修正の可能性も
ヤマト運輸が日本郵便に対し、小型の薄型荷物「クロネコゆうパケット」の配達委託中断を打診していることが明らかにになった。
両社は2023年6月、「物流2024年問題」や人手不足などの課題に対応するため、協業を発表。住戸のポストに直接投函できる小型の薄型荷物やメール便は両社がそれぞれ集荷した上で、配達は日本郵便が担う方針を示していた。
小型の薄型荷物に関しては、25年3月までに全ての配達業務を日本郵便に移行する計画を立てている。
関係筋によれば、今年11月、ヤマトから日本郵便に、2025年1月から26年3月までの間、配達の委託を中断することを打診。ヤマトは一部の地域で配達までに想定以上に時間を要していることなどを理由に挙げているという。
一方、打診について日本郵便はヤマトが協業で合意した内容に反していると反発、協議は平行線をたどっているもようだ。
ヤマトはメール便の配達委託は中断の対象外にしており、今後も継続するとみられる。
経営環境が厳しい中、協業開始から1年余りで方針の修正を迫られれば、両社の収益にも影響は避けられない。
2023年6月、協業を発表する(左から)ヤマトホールディングス・長尾裕社長(ヤマト運輸社長兼務)、日本郵政・増田寛也社長、日本郵便・衣川和秀社長(当時)
(藤原秀行)