日立、山積み原料ヤードの在庫管理をドローンで行うクラウドサービス開始

日立、山積み原料ヤードの在庫管理をドローンで行うクラウドサービス開始

AIが空撮画像解析、量を可視化

日立製作所は12月2日、電力事業者や製鉄事業者など向けに、鉄鉱石などの原料を船から荷揚げし山積み保管する広大な原料ヤード(置き場)でドローンを活用し、高効率な在庫管理を支援するクラウドサービスを開発したと発表した。同日、提供を開始した。

ドローンの空撮で現場状況をタイムリーに収集し、クラウド基盤上で蓄積。AI画像認識技術を用いて原料のパイル(山)を解析し、量を可視化するなど、現場の在庫状況を効率的に把握し、余剰在庫の削減といった適正な在庫管理に向けてワンストップで支援する。

従来、広大な原料ヤードの在庫管理は熟練の現場作業員が現地で複数のパイルを1つずつ目視で確認し、手入力で在庫情報を帳票化している。一般的な三次元測量ソフトを用いてパイルを個々に識別して計測する必要があるなど、現場の状況把握には膨大な工数を要していた。

近年、ドローンの社会実装が進み、多様な分野でドローン活用による業務効率の向上が期待されている。日立は防衛向けの無人機事業から始まり、安全な活用・普及に向けた政策提言のほか、設備点検や物流など幅広い業種での豊富な実証を行うなど、ドローンの活用推進に向けた活動を進めてきた。原料ヤードにおける在庫管理への応用についても、電力・製鉄業界などのフィールドでの実証を進め、本格的にサービス化に至った。

原料ヤードを上空から撮影してクラウド上に画像データを蓄積、クラウド上でパイルの三次元データを生成する。パイルの位置を認識して体積を算出するとともに、パイルごとの在庫量や空きスペース、形状といった在庫情報を自動で計測する。

ノイズを自動除去する機能も備え、計測時に原料の払い出しを行う機材であるリクレーマなどの一部が空撮に入り込んだ場合にも、該当部分を除去して数センチメートル単位の解像度で対象を捉えられるため、高精度なパイル体積の算出が可能。

三次元データからはパイルごとの原料銘柄や重量などが記載された帳票をCSV形式で出力できる。手入力の帳票化を自動化し、業務負荷の軽減や在庫管理の効率化を支援する。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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