CRE、京都・京田辺で15.6万㎡の大規模マルチ型物流施設が竣工

CRE、京都・京田辺で15.6万㎡の大規模マルチ型物流施設が竣工

2棟開発プロジェクトの1棟目、幹線道路網経由で近畿圏の広域カバー

シーアールイー(CRE)は2月18日、京都府京田辺市で開発を進めてきた大規模なマルチテナント型物流施設「ロジスクエア京田辺A」が2月15日に竣工したと発表した。

複数のテナント企業と賃貸借について合意済みで、内定率は100%に達したという。具体的な企業名は開示していない。

 
 


ロジスクエア京田辺Aの施設全景

地上4階建て、延床面積は15万6333.67㎡(47,290.93坪、共用棟の面積を含む)。2、3階と4階へ大型車両が直接乗り入れ可能なランプウェイを設け、各階に両面トラックバースを備えている。隣接地では同じく物流施設「ロジスクエア京田辺B」の建設を進めている。

ランプウェイは上り専用と下り専用をそれぞれ2基ずつ、計4基設置するクアドラプルランプウェイ方式を採用し、トラックバースは計224台の大型車が同時接車可能。30台分のトラック待機場と合わせて、効率的な入出庫オペレーションを実現できると見込む。

府道八幡木津線(府道22号線)を経由して第二京阪道路と新名神高速道路の八幡京田辺JCT(八幡京田辺IC・京田辺松井IC)まで約3.5km、八幡東IC(上り)まで約3.5km、京奈和自動車道の田辺北ICまで約1kmのエリアに位置しており、幹線道路網を経由して近畿圏の広域をカバーできると見込む。

将来は新名神高速道路の全線開通(八幡京田辺JCT~高槻JCT間・2027年度予定、城陽JCT~大津JCT間・28年度以降)で神戸から名古屋までがつながり、新名神高速道路を軸とした新たな広域物流ネットワークが構築され、ロジスクエア京田辺Aの利便性がさらに高まると期待している。


地図

 
 


北側外観


トラックバース

倉庫部分の基本スペックとして、外壁には金属断熱サンドイッチパネル、床荷重は1.5t/㎡(2.5tフォークリフト走行可)、有効高さは各階6.0m(4階のみ5.5m)以上を確保。テナント区画として、各階をワンフロアで利用する場合は両面バースを備えた約8700~約1万300坪を平面で使えるようにしている。

各階を4分割することで最大16テナント(最小区画約1800坪)の入居が可能な設計を取り入れている。

最大4000kWの特別高圧電力が提供可能で、ロボットなど自動化機器導入にも対応する。


庫内

 
 

将来対応としては、垂直搬送機8基(いずれも1~4階での利用可)やドッグレベラーの増設を可能とする構造としているほか、事務室の増設、庫内空調設備設置の際の配管ルートや室外機置場・キュービクル増設や自家用発電機スペースの確保など、入居テナントの将来のニーズにも一定の対応が可能。

アメニティとして、4階の3箇所に売店を併設したカフェテリアを設け、施設内のどこからでも利用しやすくしている。敷地内には従業員やドライバー専用の売店、休憩室を備えた約138坪の共用棟を設置して、ロジスクエア京田辺B完成後にはA・B両棟の従業員とドライバーが利用できる施設にする。

環境面では、廃材をリサイクルしたタイルなどの建材を施設各所に採用。共用棟を木造建築とすることで約71t、共用棟内のカフェテリアで京都府内の森林から伐採した木材を使用した家具を採用することで約1.9tのCO2貯蔵を実現するなど、カーボンニュートラルに配慮する。


カフェテリア


共用棟外観


共用棟内カフェテリア

さらに、全館LED 照明、人感センサー、節水型衛生器具を使い、環境や省エネルギーに配慮。BELS評価★★★★★★(シックススター)、ZEB、CASBEE-建築(新築)Sランクの認証を取得済み。エンバイオC・ウェスト経由で太陽光発電システムの導入を予定している。


露路ガーデン

「ロジスクエア」の開発で従業員の就業環境の向上や地域貢献のためにランドスケープデザインを取り入れた外部空間を積極的に採用していく方針を打ち出している。当該空間を「露路ガーデン(Logi Garden)」というロジスクエアの従属ブランドとして展開している。

加えて、「ロジスクエア京田辺プロジェクト」では、外部の植栽計画などで“プラントハンター”として著名な西畠清順氏によるランドスケープデザインを採用しており、「Localize」のコンセプトにより桜や竹などの植栽や、共用棟内に箱庭を設けることで、京都の風情や四季を感じられる空間を提供。地域のシンボルとして古都の街並みにも溶け込む施設を目指す。

ロジスクエア京田辺Aの概要

施設名称

ロジスクエア京田辺A

所在地

京都府京田辺市大住門田、他

敷地面積

66,255.80㎡(20,042.37坪)

用途地域

工業専用地域

主要用途

倉庫(倉庫業を営む倉庫)

構造規模

倉庫 柱 鉄筋コンクリート造+梁 鉄骨造(最上階のみ柱 鉄骨造) 地上4階建て

共用棟 木造 平屋建て

延ベ面積

156,333.67㎡(47,290.93坪)

内訳 倉庫 155,878.19㎡(47,153.15坪)

   共用棟 455.48㎡(137.78坪)

着工

2023年4月17日

竣工

2025年2月15日

設計施工

株式会社錢高組

監理監修

株式会社INA新建築研究所

(藤原秀行)※いずれもCRE提供

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