自動空撮機を活用、上空からの被災状況確認と想定
ドローンスクール東京を運営するハミングバード(東京都渋谷区道玄坂)は2月19日、東京都港区の「みなと新技術チャレンジ提案制度」を利用し、2月14日にドローンを使った水平物資輸送の実証実験を、港区と連携して実施したと発表した。
同社は、東京湾では初となる「レベル3.5飛行」のドローン物資輸送を果たしたと説明している。
レベル3.5飛行は2023年12月、政府が導入した新制度で、ドローンに搭載したカメラで地上の安全を確認できることなどを条件に、飛行ルート下の補助者配置や注意喚起の看板設置が不要となる。
東京湾を経由してお台場学園港陽小・中学校の屋上に物資を届けた
港区は、発災時に台場地域への区内ルートが「レインボーブリッジ」と「ゆりかもめ」のみのため、電車などの通行手段がストップした場合でも、被災状況の確認や医薬品などの緊急物資を速やかに運搬できる手段の確保を目指している。今回の実証実験もその一環。
東京湾上空を飛行するDJI MATRICE350
芝浦南ふ頭公園運動広場から東京湾を経由してお台場学園港陽小・中学校の屋上へ、災害時を想定した緊急物資(約500g)をドローンで空輸した。
自動空撮機、物資輸送が可能な機体の2種類のドローンを活用。先行する自動空撮機で上空からの被災状況を確認し、物資輸送ルートの安全を確保して確実に物資を届けることを確認した。約1.8kmの距離を約6分で飛行し、迅速かつ安全に物資を輸送することに成功した。
実証実験を実施した飛行ルート
自動空撮機により飛行ルートの安全確認を実施
安全を確認後に物資輸送専用機の飛行を開始
東京湾上空を安定して飛行
約6分の飛行でお台場学園屋上へ
着陸時は手動操縦にて指定箇所へ着陸
緊急物資を無事に届けることに成功
操縦は芝浦側より自動と手動の2つの方法で実施
清家愛港区長はじめ関係者はモニターで状況を常時確認
(藤原秀行)※いずれもハミングバード提供