「緊急・物流関連車両の円滑な走行確保へ非常時は車線柔軟運用を」

「緊急・物流関連車両の円滑な走行確保へ非常時は車線柔軟運用を」

国交省有識者会議、道路の耐災害性強化で路肩の積極活用など提言案

国土交通省は6月24日、東京・霞が関の同省内で、「道路の耐災害性強化に向けた有識者会議」(座長・家田仁政策研究大学院大教授)の第4回会合を開き、提言取りまとめ案を示した。

近年大地震や豪雨、豪雪が頻発し、今後も首都直下地震や南海トラフ巨大地震が高確率で起こるとみられていることから、災害発生時に道路を早期復旧させる必要性を強調。具体策として、学識経験者や道路管理者、警察、公共交通事業者、学校関係者、経済界や市民の代表で構成した組織を構築し、人命救助や復旧作業に支障を来さないよう連携して各地の交通の流れを円滑に調整できる「統括的交通マネジメント」の実施体制を法律で規定しておくことを打ち出した。

併せて、非常時に救急車や消防車、パトカーなどの緊急車両や物流関係車両がスムーズに通行できるよう、路肩を用いるなどして道路の車線運用を柔軟に変えられる仕組みを導入するとともに、優良事例を表彰する制度を設けて各地に好事例が広がるようサポートすることも提唱した。

国交省は同会議で意見調整した上で、近く提言を正式決定し発表、2020年度予算の概算要求などに反映していく構えだ。


提言取りまとめ案を審議した有識者会議

隣接する河川の増水や倒木などの“路外リスク”事前検討も

提言案は16年の熊本地震や18年の台風21号といった一連の災害から得られた教訓として、
・マイカー規制などの交通マネジメントによる渋滞対策が不可欠
・被災地に向かう特殊車両の通行許可審査に対する優先処理が必要
・耐震補強や無電柱化、踏切立体化の推進が重要
―などと指摘。

具体的に進めるべき施策として、「統括的交通マネジメント」実施体制の制度化や非常時の柔軟な車線運用に加え、道路構造令などを災害に配慮した整備水準へと見直すことを明記。具体例として2車線の道路の路肩を従来より拡張したり、救急車といった緊急車両が道路に入退出できるよう専用ルートを設けたりすることなどを盛り込んだ。

このほか、
・路外リスクアセスメントの実施
=道路に隣接する河川の増水や倒木などがもたらすリスクを事前に土木工学の関係者と検討
・迅速な復旧に向けたトレーニング強化
=国と地方自治体が連携して道路の復旧計画策定方針などを議論、事前準備を強化
・徒歩避難が困難な場合の避難手段の検討
=津波発生時に徒歩では避難が間に合わない場合、自動車の使用を前提とした避難計画の策定を検討
―なども記している。

(藤原秀行)

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