保冷・断熱資材の独自研究で約3カ月のコールドチェーン維持実現
特殊冷凍技術の開発などを手掛けるスタートアップのデイブレイク(東京都品川区東品川)は3月6日、米国への冷凍寿司の海上輸送に成功したと発表した。
保冷・断熱資材を組み合わせた独自の研究結果を生かし、約3カ月間にわたって鮮度を維持するコールドチェーンを実現したと強調。高品質冷凍食品の国際輸送における大きな一歩を踏み出したとアピールしている。
冷凍寿司 出荷時(日本)
冷凍寿司 店舗確認時(米国)
デイブレイクは冷凍寿司の海外輸出に取り組んでおり、特に米国市場への展開に注力している。輸送船内では-25℃の冷凍環境で保管されるが、港までの輸送、港到着後の倉庫への搬送、倉庫から店舗への配送はいずれもトラックによる陸上輸送となり、各過程で外気に触れる機会が生じるため、温度上昇のリスクがあり、これまでコールドチェーンの維持は困難とされていた。
デイブレイクはそうした厳しい環境下でもコールドチェーンを運営するため、保冷効果のある段ボールや高性能断熱資材を収集し、多様な組み合わせで温度変化を検証。長期間の温度維持を実現する最適な組み合わせを開発した。
保冷機能を備えた段ボールと断熱資材の組み合わせた候補A~Cと、保冷環境でない一般的な段ボールの4つ環境で海上輸送を実施。段ボールの外側と内側に温度ロガーを貼付し、30分おきの温度変化を計測した。
日本~北米間の海上輸送中の温度変化比較
検証結果によると、保冷環境Aでは、段ボールの外側の温度が最高17℃に達したにもかかわらず、段ボール内部の温度は最高-3.75℃を維持。一方、他の環境はいずれも最高温度が氷点下を超えていたという。
さらに、冷凍食品の品質劣化が進みやすいとされる-10℃以上の温度を記録した回数は、総計測回数4864回のうちわずか4回(0.08%)にとどまった。
事前に行った検証で、保冷環境Aは-10℃を上回っても3時間以上寿司の芯温が-10℃を上回らないことを確認している。検証結果より、保冷環境Aの組み合わせは、約3か月間にわたり氷点下を維持し、アメリカ到着後も高品質な冷凍寿司を提供できる環境にあることを実証したと判断している。
日本~北米間の海上輸送工程
製造元出荷時と店舗到着時の冷凍寿司の状態比較
デイブレイクは今回の成功を受け、今後さらに海外輸出の展開を加速させるとともに、コールドチェーン技術の発展を目指し、継続的な研究・開発を進める構え。
(藤原秀行)※いずれもデイブレイク提供