鈴与が静岡県初、「水稲栽培の中干し期間延長」で創出した温室効果ガス排出削減分を調達

鈴与が静岡県初、「水稲栽培の中干し期間延長」で創出した温室効果ガス排出削減分を調達

「地産地消」のカーボンニュートラル目指す

鈴与は3月18日、静岡県で初めて「水稲栽培における中干し期間の延長」によるJ-クレジット(温室効果ガスの排出削減分)を250t調達したと発表した。

J-クレジットで調達した分は、自社の事業から出た温室効果ガス排出分の相殺に使える。

 
 

今回調達したのは、農業の脱炭素などを支援しているスタートアップのフェイガー(東京都千代田区大手町)が静岡県信用農業協同組合連合会(静岡市)との連携協定に基づき、2024年に静岡県内で生成したカーボンクレジット。

フェイガーが推進する「水稲栽培における中干し期間の延長プロジェクト」は、水稲栽培で通常行っている、夏の暑い時期に田んぼの水を抜いて乾燥させる「中干し」の期間を7日間延長することにより、メタン発生量を3割削減できるという。

同プロジェクトは24年に全国で約1300件の生産者と組み、約13万6000tのクレジットを生成していると見込む。鈴与は静岡県における初の“カーボンクレジットの地産地消”事例になったと強調している。


カーボンクレジットを活用した地域支援型脱炭素化の概要(鈴与提供)
 
水田からのメタン排出は日本全体のメタン排出量の約4割を占めている。中干し期間を、当該の水田で直近2カ年以上実施した日数の平均より7日間以上延長し、所定の審査を受けると、削減量分の「クレジット」の認証を受けられる。

(藤原秀行)

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